稼げる人は「挑戦」を通じて学習し成長する

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   日本には「挑戦」が足りないと言われます。挑戦とは何でしょうか。新しいことや困難なことに立ち向かうことであり、ビジネスパーソンであれば「過去にやったことのない仕事に取り組みこと」「途方もなく高い目標にチャレンジすること」です。

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野茂を駆り立てた「挑戦への好奇心」

   それは、未知なる世界との遭遇を予感させ、心をワクワクさせもしますが、失敗の確率も一気に高まります。失敗することが嫌な人、失敗して叱られるのが怖い人にとっては、挑戦など何の魅力のないものでしょう。

   挑戦といえば、1995年に米メジャーリーグに挑戦した野茂英雄さんのことを思い出します。野茂さんがメジャー挑戦を表明したとき、当初は日本球界や観客から「恩知らず!」「思いあがり!」と非難を受けたものでした。

   しかし、見事成功を収めると、評価は文字通り「英雄」へと180度変わりました。「日本の誇りだ!」「やっぱりやってくれた!」という声を聞き、当事者は戸惑ったに違いありません。

   野茂さんを挑戦に駆り立てたのは、何だったのでしょうか。大リーグでの成功に対する並外れた意欲だったのかもしれませんし、「自分の力がどの程度通用するか見てみたい」という挑戦自体への好奇心だったかもしれません。

   これは日本のビジネスでも同じことですが、挑戦する人の動機には、「成功」したいという意欲と、「挑戦」自体への好奇心の2つがあるように思えます。特に、挑戦によって学ぶこと、成長することは、大変な快感が得られるものです。

   もしかすると、成功によって得られる賞賛と同じか、それを上回るほど魅力的なものなのです。野茂さんにとっては、気まぐれな日本の観客の評価など、小さなものに思えていたのかもしれません。

小さな失敗を繰り返すことが成功への道

   日本では、これまで現状維持でも豊かな生活を送れていた人が大半でした。しかし社会全体の活気が低下するなかで、これがいつまで続くか分かりません。社会や企業の活性化を導いてくれる「挑戦者」が必要なのです。

   挑戦者を育てるには、運にも左右される結果だけで手のひらを返すように評価を変えないことや、フロンティア精神に裏付けられた米国のように挑戦自体を賞賛する文化を形成することも重要でしょう。しかし結局は、自分から挑戦する人が現れないことには始まりません。

   それでは、「挑戦し成功する側」に行くためには、何が必要なのでしょうか。やみくもに挑戦するだけでは、失敗を繰り返すだけです。私は雑誌『アントレ』の編集長時代に、数多くの経営者にインタビューしてきました。

   そのとき、成功した経営者には、いくつかの共通点があることが分かりました。

(1)頭の中で成功のシミュレーションを繰り返した
(2)信頼できる相談相手が複数いた
(3)実際にやってみて小さな失敗を何回も繰り返した

   つまり、自分の頭で考え、他人の意見を聞き、実際に挑戦と失敗を繰り返すうちに、それが成功へとつながっていくということなのです。

ユニクロでさえ「1勝9敗」

   ユニクロをカジュアルウエアのトップ企業へと急成長させた柳井正氏も、ベストセラー『1勝9敗』の中で「失敗を恐れてはいけない。失敗にこそ成功の芽は潜んでいる」と語っています。

   また挑戦には「よい相談相手」が欠かせません。『アントレ』で一緒に仕事をした仲間たちは、自分で起業するという「挑戦」を選択した人が少なくありません。その一人であるネットビジネスで起業した社長(35歳)は、

「周囲に挑戦する人が多いと煽られるし、意欲も高まりますよね」

と語っていました。いつか自分でも挑戦したいと思ったら、大企業でも中小・ベンチャーでもいいから挑戦する人の多い環境を探して、自ら身を置いてみることが近道でしょう。

*2010年7月22日(木)、ライフネット生命副社長の岩瀬大輔氏とともに、東洋経済新報社主催のセミナーを実施します。

高城幸司

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高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。「高城幸司の社長ブログ」
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