2019年 12月 16日 (月)

退職者の母親が「未払い残業代」の請求を突きつけてきた

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臨床心理士・尾崎健一のコメント
相手を感情的に落ち着かせることも大切

   会社に落ち度があるのなら「カネを払えばいいんだろう?」という姿勢ではリスクがあります。弱みに付け込まれてもいけませんが、未払いがあったことをわび、再発防止をすると伝えた上で、妥当な金額を支払う必要があります。本来は本人と話をすべきですが、母親を門前払いするのではなく、言い分に耳を傾けて感情的に落ち着かせることも事態収拾には必要でしょう。

   この件がこじれるとすれば、会社が労働時間管理を適切に行っていなかったことが原因です。未払い賃金だけでなく、従業員が健康を害したり労災を起こしたりした場合にも、会社の責任が大きく問われます。最近は年俸制やみなし労働時間制をとっている会社も多いと思いますが、労働時間管理が不要になるわけではありません。みなし残業制度も、適切な労働時間管理が行われていることを前提に認められるものですので、あまりに実態とかけはなれていると、未払い残業代を請求されるので要注意です。


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(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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