「今日はマグロが絶好調」 ツイッターでタイムセール流す魚屋

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   業務にツイッターを利用する動きが出始めている。中でも売り上げ、利益に貢献し、本業に直接影響を与えそうな取組みとして、スーパーや生鮮食料品での取組みが注目される。

顧客からの感想を「リツイート」

「ツイッター見て来ました」でおまけも
「ツイッター見て来ました」でおまけも

   都内に勤務する30代女性のAさんは、仕事帰りに携帯電話でツイッターを開き、スーパーや魚屋が流す「タイムセール」の情報をチェックしている。

「今日はマグロが絶好調。お買得品がいっぱいあります」
「これから8時まで肉類が2割引。在庫限り!」

といったメッセージをもとに、帰路の買い物計画を立てる。魚屋のおじさんに「ツイッター見て来ました」というと、さらにおまけをしてもらえることも。「スーパーには梅酒用のいい梅が入ったら知らせて、とツイッターで頼んで取り置きしてもらいました」

   入荷状況や販売キャンペーンをツイッターで知らせるやり方は、ネットショップでは一般的だが、Aさんは「通販は送料がかかるから頻繁に買えない」とリアル店舗での情報提供を歓迎する。

   茨城県内でスーパーを展開しているカワサキ(kawasakigs)では、2010年4月にツイッターに登録。茨城県内のユーザーを検索してフォローしたり投稿を続けたりすることで、4か月でフォロワーを1900近くまで増やしている。

   傘下の8店舗でもそれぞれアカウントを取得し、500から650のフォロワーがついている。「新商品のお知らせ」で特長を魅力的に説明したり、数量限定の割引商品を「お買い得情報」として提供。店舗で実際に食べられる「試食のご案内」も好評だ。

   購入したお客さんから商品の感想や写真が投稿されると、店舗のアカウントでリツイート(再投稿)する。商品以外にも、地域のお祭りや花火大会などのイベント情報を流すこともあるようだ。

「折込チラシよりずっと低コスト」

   カワサキの担当部長、小池聖樹さんによると、これらの取組みは始めたばかり。フォロワーと実際の顧客とがマッチしていないこともあって、売り上げに大きな影響が出ていないという。しかし、フォロワー数は増え続けており、

「折込チラシを印刷して配るのと比べ、格段に安いコストでPRできる。地域のお客様にフォローしていただき、来店につながれば言うことはない」

と効果を期待している。

   gooリサーチが実施した2010年8月5日に発表した「企業におけるTwitter活用状況」によると、ツイッターの企業アカウントを取得している会社は75%を超えているが、ここ半年以内で始めた会社が64%という。流行のツールを使い始めたという状況だろう。

   使い方も試行錯誤の段階だ。ある地方自治体では、ツイッターで防災情報を流したり行政サービスへの要望を受け付けたりするというが、「緊急情報には携帯メールが適している」「要望を伝えるのは電話の方が便利」という指摘もある。

   証券業界でもアカウントを開設して情報提供を始める会社が相次いでいるが、投稿内容の社内審査に時間がかかったり、多忙で会社あての問い合わせに返信できていないなど、ツイッターの機能を十分使っているとは言えないようだ。

   ツイッターがメールや電話など他のツールと異なる点は、「リアルタイム」「オープン」「双方向」の3つの機能を兼ね備えている点といわれる。タイムセールや取り置きなどの用途でこれらの機能が活かせることを考えると、これまでIT活用が進んでいなかったリアル小売店での事例が増える可能性もある。

姉妹サイト