2019年 11月 12日 (火)

思いは脳に作用する 「夢は必ず叶う」と信じることの意味

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   企業経営者やスポーツ選手のサクセスストーリーを読むと、「夢をあきらめないこと」「目標を強く持ち続けること」といった言葉を共通して見出すことができます。目標や夢を設定することは、達成の道筋を見出すためだけでなく、ストレスに負けず進み続けるための効果もあるようです。

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人の「思い」は脳に作用する

成功した人は「夢」の存在を語ることが多い
成功した人は「夢」の存在を語ることが多い

   最近の脳科学の研究によると、人が抱く思いや願いが、脳に重要な変化をもたらすことが分かってきました。

   たとえば、「偽薬(プラセボ)効果」。医学的には何ら効果がないはずの砂糖玉を、痛みを軽減できると信じて飲むと、信じた通りに痛みが和らぐことがあることは昔から広く知られていました。

   この効果は、実験でも証明されています。被験者の顎に塩水を注射して痛みを感じ続ける状態におきながら、「痛みを軽減する薬剤」と説明して偽薬を飲ませ、MRIスキャンなどで脳の活動を観察しました。

   すると、プラセボを飲んだ被験者の脳に変化が見られました。疼痛に対する鎮痛作用を持つ「内因性オピオイド」という脳内麻薬が分泌されていたのです。オピオイドとは、モルヒネと同じような効果のある物質です。

   つまり、被験者が「これは痛みを軽減する薬だ」「これを飲んで痛みをやわらげたい」と信じていると、本当に痛みが軽くなることがあるのです。被験者の思いや願いが、実際に効果を上げた例です。

筑波大学大学院・松崎一葉研究室
高度知的産業に従事する労働者のメンタルヘルスに関する研究を行い、その成果を広く社会還元することを目指している。正式名称は筑波大学大学院人間総合科学研究科 産業精神医学・宇宙医学グループ。グループ長は松崎一葉教授(写真)。患者さんを治療する臨床医学的な視点だけではなく、未然に予防する方策を社会に提案し続けている。特種な過酷条件下で働く宇宙飛行士の精神心理面での支援も行っている。松崎教授の近著に『会社で心を病むということ』(東洋経済新報社)、『もし部下がうつになったら』(ディスカバー携書)。
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