社長の思いつきで新事業 「屋根に登れ」と言われても

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   経営環境が変化すると、それまで会社が本業としてやってきたことが立ち行かなくなります。経営者は会社を解散するか、従業員を大量解雇するか、さもなくば新しい事業を起こして雇用を維持しなければなりません。

   ある会社では、営業マンが全くの異業種に出向させられてしまい、不安を募らせています。そこで、Q&AサイトのOKWaveに相談してみることにしました。「屋根に登れといわれているのですが、拒否することはできるでしょうか?」

重いパネルをロープ1本で上げ下げ

環境ビジネスの将来性は否定できないが
環境ビジネスの将来性は否定できないが

   相談者のjoakさんは、もともと営業職として、IT系の事業をする会社に勤めていました。しかし、業績が思わしくなかったのでしょう。会社は新規事業への参入を決め、相談者さんを含む数人が子会社へ出向することになりました。

   新しい事業の中身は「太陽光発電システム」の販売と修理。エコブームの中、将来性はありそうですが、これまでの事業や業務とはまるで異なるものです。

   相談者さんから見れば、完全な「経営者の思いつき」。立ち上げ時には外注費用も捻出できないので、上司からは、

「社員にも屋根に登って作業してもらう」

と宣告されています。

   現場を見学したところ、スライド式のはしごを使い、畳1枚ほどの大きさのパネルをロープ1本で上げ下げしていました。パネルの重量は、約15キログラム。防護ネットや命綱はなく、落下すれば大ケガは必至、死亡事故になってもおかしくありません。

   相談者さんは40代で、建築関係の仕事は未経験。高いところでは足がすくんでしまいます。職場にも屋根工事の経験がある人は、誰もいません。また、危険手当の支給やケガをした場合の保障、作業中のミスが生じた場合の施主への対応なども、まるで決まっていません。

   こんな状況で無理やり屋根に登らされるのはたまりません。「何かよい対応方法がありましたら、アドバイスお願いいたします」

   話を聞くだけでも仕事の危険性がよく分かりますが、回答者からは、法令で求められる最低限の安全対策だけでもクリアしておくべきだ、と心配の声が上がっています。

「危険な仕事はプロに任せた方がいい」

   回答者のpoizon19さんは、安全対策が講じられていない状態であれば、上司の命令でも拒否できると断言しています。

「仮設の足場はもちろん立てなければなりませんし、落下防止策等がきちんとされていない環境では雇用者側も強制はできません」

   一方で、安全が確保された状態であれば、命令は拒否できないという意見も。debumoriさんは、質問者さんがあげている理由では弱いとコメントしています。

「慣れるまで足がすくむのは誰だってそうだし、年代も関係ない。知らない人と話すのは緊張するから、営業職への異動は嫌だという理由が通らないのと同じと思います」

   ただ、未経験の仕事をムリにさせて大丈夫なのでしょうか。narara2008さんは、危険な作業はプロに任せるよう、会社に頼んだ方がよいと助言します。

「その程度なら大工や電気でいくらでも安い賃金で、喜んで請け負ってくれるところがいくらでもあります」

   ただ、そもそもの話として、本業と無関係な事業に飛びつくのは「会社が傾いてやけっぱちになっている証拠」(RTOさん)と指摘する人も。

   屋根に登ってみたものの、気がついたら文字通り「はしごを外されていた」という可能性だってあります。あとは相談者さんがその会社で勤め続けるかどうか、判断する段階にきているのかもしれません。

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