2019年 11月 12日 (火)

「寝てない」自慢は不毛 5時間を切ると危ない

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   睡眠を取ることは、私たちにとって単に身体を休ませること以上の意味があります。成長ホルモン分泌による身体の修復、免疫機能の維持、記憶や判断、情動など大脳で営む高次脳機能の休息など、さまざまな役割があります。

   良質な睡眠を確保し、疲れた心身を十分に回復させることが、ビジネスパーソンの重要なストレス対処術といえるでしょう。

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最高のパフォーマンスは「最良の睡眠」から

間接照明も良い眠りには効果的らしい
間接照明も良い眠りには効果的らしい

   実は日本人の約2割が、寝付きが悪かったり(入眠困難)、途中で目が覚めてしまったり(中途覚醒)と、何らかしらの不眠症状を有しているといわれています。

   不眠は、単に眠れなくて不快ということだけでなく、それが原因で記憶力や判断力が弱まったり、感情のコントロールが鈍ってしまうこともあります。

   これにより、日中の仕事がはかどらなくなると、結果的に仕事で大きなストレスを抱え、ますます不眠に陥ってしまうという悪循環を生みかねません。

   それでは、どの程度の睡眠時間をとれば最適といえるのでしょうか。「最低6時間だ」「8時間はとりたい」などという声も聞かれますが、研究によれば、最適な睡眠時間は遺伝的要素や後天的な生活習慣などによって個人差が大きいといわれています。

   エジソンは平均睡眠時間が3時間程度であったのに対し、アインシュタインは10時間も寝ていたという話もあります。

   とはいえ、睡眠時間が5時間を切るような状態が長期間継続すると、うつ病をはじめとするメンタルヘルス不全になりやすくなるという報告もあります。ビジネスパーソンの「寝てない」自慢は不毛です。最低限の睡眠時間を確保するために、睡眠以外の優先順位を考えて行動する必要があるでしょう。

   また、良質な睡眠とは、長ければ長いほどよいわけではなく、翌朝に疲労感や眠気が残らない睡眠を目指すべきです。約90分の周期で交互に現れる「浅い眠り(レム睡眠:身体の休養に役立つ睡眠)」と「深い眠り(ノンレム睡眠:大脳を休ませるための睡眠)」の睡眠パターンを維持することが重要です。

   このパターンを維持するために、睡眠時間を3時間(レム睡眠+ノンレム睡眠)で割り切れるように起床6時間前に就寝する人もいるようです。また、眠りが途切れたり浅くなったりしないように、就寝前の日常生活に気をつけたり、就寝環境を工夫したりすることも考えられます。

筑波大学大学院・松崎一葉研究室
高度知的産業に従事する労働者のメンタルヘルスに関する研究を行い、その成果を広く社会還元することを目指している。正式名称は筑波大学大学院人間総合科学研究科 産業精神医学・宇宙医学グループ。グループ長は松崎一葉教授(写真)。患者さんを治療する臨床医学的な視点だけではなく、未然に予防する方策を社会に提案し続けている。特種な過酷条件下で働く宇宙飛行士の精神心理面での支援も行っている。松崎教授の近著に『会社で心を病むということ』(東洋経済新報社)、『もし部下がうつになったら』(ディスカバー携書)。
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