2018年 11月 17日 (土)

日本の国会議員には、もっとカネを払うべきである

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   最近、議員報酬が高すぎる、という話を聞くことが多い。確かに給与が2,000万円以上、というような話を聞くと、何となく高いように思えてくる。

   しかし、本当に高いのか? 雰囲気だけで言っている可能性はないのか? そこで今回は日本の国会議員の報酬が高いか低いかを、米国のデータと比較しながら見てみようと思う。

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国会議員は「中小企業の経営者」でもある

給与以外の国民負担も考える必要がある
給与以外の国民負担も考える必要がある

   まず、現行の日米の国会議員(ヒラ議員)の給与を見てみよう。日本の国会議員は衆議院議員(480名)と参議院議員(242名)。どちらも年間の給料はボーナス込みで2,229万480円である。

   米国には上院議員(100名)と下院議員(435名)がいる。給与は同じで年間1,444万円(174,000ドル。1ドル83円で換算し、1万円未満を切り捨てた。以下同様)。

   ということで、日本の国会議員の給料の方が4割以上高いことがわかる。やはり日本の国会議員の報酬は高すぎた――と結論づけるのは早計だ。

   国民は政治家のために、給与だけではなく様々な経費も負担している。しかもその金額のほうがずっと大きい。だからそれも見ていかないと、国民負担の全体像が見えてこない。

   国会議員を「中小企業の経営者」に見立ててみると分かりやすいと思う。国から議員の活動に支払われるカネを全部足した金額、これが企業の売上に相当する。我々国民の負担だ。そこから様々な経費を引いたものが、その議員の懐に入る本当の「実入り」となる。

   日本では国会議員の活動のために、国(納税者)が以下のような費用を負担している。

・文書通信交通滞在費 年1,200万円
・公設第一秘書、公設第二秘書、および国会議員政策担当秘書の3人の給与
・議員会館の事務室
・JR全線無料または航空機月4往復分無料
・議員宿舎(家賃は自己負担だが割安)

   これらは基本的には必要不可欠な経費といってよいだろう。企業の役員であればオフィスの費用、通信費、移動のための交通費、秘書の給与などを会社が負担するのは当然だが、それと同様といえる。

   これらの総額がどれだけになるか。個々の事情によるので一概には言えないが、秘書3人の給与を仮に年1,500万円、事務室と宿舎で年1,000万円とし、これに文書通信交通滞在費1,200万円、議員の給与2,230万円を加えると、議員一人当たり5,000万円は超えるとしても、1億円よりはだいぶ小さいと思われる。

小田切尚登
経済アナリスト。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ等の外資系金融機関で株式アナリスト、投資銀行部門などを歴任した。近著に『欧米沈没』(マイナビ新書)
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