ホワイトカラー正社員1000人を対象とした調査によると、「海外勤務をしてみたいと思うか」という質問に、「してみたい」「過去に経験したが今後もしたい」と答えた人が20代と30代で4割を超えたという。
20代の回答者からは「グローバル社会を生き抜くうえで、一度は海外勤務を経験したほうがいいのかなと思える」など、外国への憧れではなく「生き残り」「順応」のために必要と答える人が多かったようだ。
20代・30代は堅実「キャリア形成に有利」
リクルートエージェントによる調査。昨年6月に産業能率大学が実施した調査(2010年春入社の新人を対象)では、「海外で働きたいとは思わない」と答えた人が49%にものぼっていた。
単純比較はできないが、内需低迷により「国内にいても仕事がない」「このままではまずい」という認識が以前よりも広まっているのかもしれない。
海外勤務に感じるメリットは、20代・30代では「自己のキャリア形成に有利」「語学力の向上や発揮」をあげる人が多かった。一方、40代では「給与や手当などの報酬面」をあげる人がトップとなった。
この理由について調査元では、40代のホワイトカラー正社員に、過去の「海外勤務」の贅沢なイメージが染み付いているのではないかと指摘する。
「つい数年間まで海外勤務というと、生活費は会社が丸抱え、お手伝いさんもついて、給料をすべて貯蓄に回せる人も少なくありませんでした。しかし今では、赴任手当は大幅カット、給料もアジアの現地レートに換算されて金額が減ってしまうケースも増えています」
自己のキャリアアップを念頭に置く20代や30代なら、海外での苦労も将来の糧と割り切れる。しかし、甘い幻想を見ている40代には、厳しすぎる現実となるのでは。こんな「変化」をあらかじめ知っていれば、回答も変わっただろうか。