ひろゆき氏が「出世するには…」 ネットで賛否の声

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   元2ちゃんねる管理人で、ニコニコ動画を運営するニワンゴの取締役を務める西村博之(ひろゆき)氏が2011年5月10日、ブログに「出世の話」を書いた。

   サラリーマン経験がなく、組織と無縁なイメージのひろゆき氏の表明に、ネットユーザーからは驚きと賛否の声があがっている。

他人にやらせ評価する役が「一番安全で得をする」

   ひろゆき氏は、ニワンゴが運営するゲームアプリに関連して、会社がサービスをリリースする際の「物事の判断」の難しさに言及する。判断は、ユーザーの評価や競合サービスのレベル、開発側の問題などを踏まえて行うのが理想だが、実際には情報の少ない段階で決定しなければならないことが多い。

   そこでゲームのキャラクターや使い勝手などについて主観的な意見を言うが、相手を説得する材料としては不十分なので「水掛け論」に終わりがちだという。事前の指摘が間違っていたり、予想を超えた反応が返ってくることもあるが、結局「一番安全で得をする」のは、

・やりたい人にやらせておいて、自分は何もしない。
・成功したら、自分は評価していたと喧伝する。
・失敗したら、相手を責める。相手が落ちることで、自分の地位が相対的にあがる。

という3点を死守する「保守的な役柄」なのではないかという。

   ひろゆき氏が「頭のいい大人の人たちは、早くに、この役柄に気づいて、出世していく」「三十路になってようやく気づいた」というこの考え方に対しては、ネットユーザーから強い批判の声があがっている。

「まさに日本企業のクズ管理職そのもの」
「減点法の日本では、何もせずに口だけ達者な無能が出世するからなw」
「うちの40代後半~50代前半はこんなのばっかりです。この世代に何かあったのかってくらいダメオヤジばっかりですよ」

   これまでの日本の組織に当てはまるのは事実だが、その弊害は大きく、現在の停滞につながっていると指摘する人が多い。

「憎まれずにできるか」がポイント?

   ときには自分で決断してリスクをとらなければ、大きな成功は得られないという人も。

「(任天堂の)DSの仕様がなかなか決まらなかったとき、(情報開発本部長の)宮本茂は『全責任を負うから俺の仕様を採用してくれ』と我を通した。行動と責任が大切なんだぜ」

   もっとも、ひろゆき氏がこの3点の問題を承知しつつ、「皮肉」として書いた可能性もある。一方で、彼の指摘は大きく間違っていないという声もある。

「アップルのスティーブ・ジョブズが、まさにこの典型だ」
「ドラッカーが言ってることも、極論はこれだぞ?」

   組織の目標を設定し、その達成のために組織が成果を出せるように働きかけを行う。成功を褒め、失敗には厳しく対処する。「やりたい人にやらせておいて、自分は何もしない」というと聞こえは悪いが、サッカーの監督が自らフィールドに出ないのと同じ、という見方もできる。

   ただ、「相手が落ちることで、自分の地位が相対的にあがる」という部分については、同意する人は少ないようだ。

「以上3つを憎まれずにできる、が抜けてる」
「失敗して叩かれた奴が化けて出る場合があるからね」

   ということで、ひろゆき氏の書き込みだけを真に受けて「イヤな奴」と思われないよう細心の注意を払うことも、この3点に劣らずに大事なことかもしれない。

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