2019年 11月 13日 (水)

政府への「不満」の多さは「依存心」の裏返しである

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   世界中で、日本の政府ほど国民に低い評価を受けている政府も珍しい。しかし実は我が国は平均寿命、失業率の低さ、医療保険、教育水準、治安、経済力、個人資産の大きさ等々で世界トップクラスの国なのだ。その国の政府のどこがそんなに不満なのか。外国人は首をかしげることだろう。

   総理大臣が頻繁に交代するのが問題だ、という意見もあるが、民主主義が機能している証しだ、と言えなくもない。世界の指導者で最も長期政権なのは、リビアのカダフィ大佐の41年。イエメンのサレハ大統領の33年や、ジンバブエのムガベ大統領の31年などが続く。北朝鮮も「金王朝」が長年続いてきた。

   一般的には短期政権よりも長期政権のほうが、問題が多いのだ。それにそもそも国民自身が政府を、間接的にせよ次々に変えておいて「短期政権は良くない」はないだろう。

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「政府に頼れない時代」に生まれたソニー、ホンダ

   我が国のように言論の自由が保障され、政治家が民主的に選ばれる国において、政府は国民の鏡のような存在だ。

「国民は立派なのに政府はダメ」

ということはあり得ない。

   別に今の政府を擁護しようとは思わないが、マスコミや企業や公務員のレベルを考えれば、だいたいあんなものだという気がする。逆に言うと「この人たちに任せれば日本は必ず良くなる」というような政治家など、この国のどこにもいないだろう。

「こんな政府ではどうしようもない」

という人は多いが、ではどうしたいのか。「ならば政府などには頼らない」という人はめったにいない。「政府は国民のためにもっと働け」という声ばかりが聞こえる。これは、政府に対する依存心が高いことの裏返しだと思う。

   昔はそうではなかった。国が貧しかったこともあるが、今よりもむしろ資本主義が徹底していたと言ってよい。たとえば、戦前にはかなりの数の農民が、新天地を求めてブラジルやハワイなどに旅立っていった。日本に残っていては食べていけなかったからだ。

   また、戦後すぐの焼け野原の東京では「政府がなんとかしてくれる」などという期待などできなかったので、自分で必死に何とかして食べ物を確保するしかなかった。政府からの配給食糧だけを食べ、ヤミ米を拒否した判事が餓死した時代である。そしてその環境からソニーやホンダを筆頭にする新興企業が多数生まれ、我が国は奇跡の経済成長を遂げることになる。

小田切尚登
経済アナリスト。明治大学グローバル研究大学院兼任講師。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ等の外資系金融機関で株式アナリスト、投資銀行部門などを歴任した。近著に『欧米沈没』(マイナビ新書)
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