メンタル不調者倍増 原因は「職場のモンスター」?

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   厚生労働省の「労働安全衛生基本調査」によると、メンタルヘルスの問題で連続1か月以上休んだ労働者がいる事業所は5.9%で、5年前の前回調査の2.6%から倍以上になった。同様の問題で過去1年間に退職した労働者がいる事業所は2.8%。過去に退職か休業した人のいずれかがいる事業所は7.3%だった。

   調査対象は、民間企業8742事業所(従業員10人以上)と、そこに勤める労働者1万1557人。厚生労働省は前回調査から増加した理由について、「景気低迷で人員削減が進み、職場内のストレスが高まったため」としている。

平均値では見えなくなるものもある

メンタルヘルス上の理由により連続1か月以上休業した労働者がいる事業所の割合(出典:厚労省)
メンタルヘルス上の理由により連続1か月以上休業した労働者がいる事業所の割合(出典:厚労省)

   この結果に対しては、「退職者を出した会社の率が低すぎる」「実態はもっとひどい。厚労省の調査は甘い」という声もある。

   従業員10人以上の会社5250件を対象とした労働政策研究・研修機構の調べでは、過去1年間に1か月以上休職もしくは退職した人のいる会社は25.8%。4社に1社の割合で、厚労省調査の3倍近い。

   厚労省調査を詳しく見ると、連続1か月以上休業した労働者がいる会社は、従業員1000人以上では90.3%に対し、10~29人の企業ではわずか2.2%。中小・零細企業では長期休業を許す余裕がない事情もあるとみられる。平均値だけを出すと、あたかもメンタルヘルス不調に苦しむ人が少ないように誤解されるのではないか。

   ネット上には、メンタルヘルス不調者の発生は「ほとんどの場合、モンスターが原因だよな」という書き込みが見られる。職場に特定の「モンスター」的な人が存在し、周囲をウツに追い込むというわけだ。

   ある会社では、メンタルヘルス不調で上司が休職を申請したが、2日しか休めずに出社を再開せざるを得なくなってしまった。

「(休職中なのに)専務が電話して呼び出しちゃう。この専務が全てのガンなのは言うまでもない。上司は退職することになった。会社は仕事が回らなくなって幾つかの仕事を切られた」

   職場のメンタルヘルス改善には「モンスター」の排除が不可欠だが、よほどのことがない限り解雇できないのが日本企業の問題点と指摘する人も。これに対し、「モンスター」も好んでなったのではなく、職場で生き抜くために仕方なくなったという人もいた。

「みんな環境の変化に適応してモンスターになったのに、(メンタルヘルス不調者は)人が良すぎてモンスターになり損ねたのだろうな…」
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