2019年 12月 7日 (土)

「男は育児なんかで休むな!」 社長の宣言に社員猛反発

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臨床心理士・尾崎健一の視点
子育て支援が社会的な課題であることを理解させる

   社長の頭の中は、「夫は会社に尽くして稼ぎを確保し、妻は専業主婦で家庭を守る」という考えで占められているのでしょう。しかし、社長はこの男性社員に、それだけの十分な給与を支払えているのでしょうか。夫の稼ぎだけで家計を維持できず、共働きせざるを得ない家庭が多くなっています。妻の職場復帰を前提とすれば、夫の家事・育児参加は欠かせません。育児に対する考え方が古いといったこと以前に、家計を継続的に維持していこうと思えば、この社長のような考えに従う社員はいなくなります。

   ただ、組織、人員、金銭といった面ですぐに対応できない会社があるのは確かでしょう。改正育介法を理解し、その方向で会社を変えていくことを前提に、助成金を活用することも考えられます。近くの都道府県労働局雇用均等室に相談するよう人事に提案してみてはいかがでしょう。なお、子育て支援は、人口減少と高齢化に直面する日本の緊急課題です。自分の会社や職場しか頭にない社長や社員でも納得できるように、このあたりの社会的背景を人事が分かりやすく説明する必要があるのかもしれません。


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(本コラムについて)
臨床心理士の尾崎健一と、社会保険労務士の野崎大輔が、企業の人事部門の方々からよく受ける相談内容について、専門的見地を踏まえて回答を検討します。なお、毎回の相談事例は、特定の相談そのままの内容ではありませんので、ご了承ください。

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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