2020年 10月 26日 (月)

上場会社の幹部が「在庫のダイヤ」を勝手に質入れしていた

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在庫は現物を直接ダブルチェックするのが鉄則

   この事件の教訓は、経営幹部は役職員による横領のリスクにもっと目を向けるべき、ということである。宝石店においては、宝石強盗と同じくらい警戒すべきリスクである。リスク管理の出発点として、

「もし自分が会社の資産を横領するとしたら、何をターゲットにするか?」

と自問してみてほしい。そして、その資産を徹底的に守るのである。

   ダブルチェックも形だけでは意味がない。不正を犯す者は、見つからないようにあらゆる手を尽くす。うわべだけのチェックでは簡単に欺かれてしまうものだ。在庫は現物を自分の目で見て、手で触って確認するのが鉄則である。ダイヤの横領も、別の社員が袋を触って「中身がおかしい」と気づいたそうだ。

   ある銀行の支店では、金庫から現金を横領した職員が、本物のお札の間に同じサイズに切った紙を挟んで見た目をごまかしていたという事件が実際に起きている。

   倉庫の実査に訪れる公認会計士や内部監査人にうず高く積み上げた箱を見せ、あたかもその中に製品がぎっしり詰まっているように説明するが、上の方に積んだ箱は実はすべて空っぽという手口もある。

   横領のターゲットになりやすい資産のキーワードは、「アクセス」「持ち運び」「換金」のしやすさである。「持ち運び」「換金」の容易な小粒のダイヤなどは、当然、アクセス制限を厳重にしないと危ない。この事件の容疑者のように道を踏み外す社員を出さないのも、管理者の重要な責務だ。(甘粕潔)

甘粕潔(あまかす・きよし)
1965年生まれ。公認不正検査士(CFE)。地方銀行、リスク管理支援会社勤務を経て現職。企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス態勢強化支援等に従事。企業の社外監査役、コンプライアンス委員、大学院講師等も歴任。『よくわかる金融機関の不祥事件対策』(共著)、『企業不正対策ハンドブック-防止と発見』(共訳)ほか。
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