2018年 9月 23日 (日)

リストラ時代には「不正な情報漏えい」に気をつけろ

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   一般企業の社員に「内部不正」をしたい気持ちが高まるときについて尋ねたところ、「不当だと思う解雇通告を受けた(34.2%)」がトップとなった。2位には「給与や賞与に不満(23.2%)」、3位には「社内の人事評価に不満(22.7%)」があがっている。

   ここでの内部不正は、情報システムの悪用や情報の持ち出し、データの破壊などを指すが、実行に移されたときの経営上の損害は小さくない。企業のリストラが進み従業員のストレスが高まっている今、不正の予防にはあらためて注意を払う必要があるだろう。

社長のメールを盗み見ていた「システム管理者」

社長宛のメールには、さまざまな機密情報が含まれている
社長宛のメールには、さまざまな機密情報が含まれている

   このアンケートは、情報処理推進機構が一般企業の社員3000人を対象にしたもの。

   内部不正の気持ちが高まる理由としては、ほかに「職場で頻繁にルール違反が行われている」「システム管理がずさんで顧客情報を簡単に持ち出せることを知っている」といった項目も上位となった。管理がいいかげんな会社では、不正の誘惑も高まりやすいということである。

   機構ではアンケートに先立ち、実際に内部不正調査に携わった関係者に20件のインタビューを行っているが、その中身も興味深い。

   ある会社では、営業社員がリストラで退職する際、社内システムのパスワードを無断で変更し、それを会社に知らせず退職してしまった。会社への恨みが動機と見られるが、このような簡単な嫌がらせで、会社の貴重な情報資産が損なわれる可能性もある。

   また、ある会社ではシステム管理者が、社長宛のメールを自分のメールアカウントに転送していた事件が発覚した。社長宛のメールには、さまざまな機密情報が含まれているだろう。メールをネタに社長を脅すことも考えられる。

   このシステム管理者は、社長のクライアントPCの設定を行う立場にあることを悪用していた。分からないことを何でもやってくれる「社内の便利屋」に頼りきってしまうのも考えものなのかもしれない。

転職先への「お土産」を持ち出した例も

   上司を陥れるために、部下が不正を行った例もあった。ある社員は、上司が使用しているUSBメモリを入手。顧客情報やプロジェクト情報を取り出し、ネット掲示板にアップロードした後、メモリを元の場所に戻した。

   この社員は上司への恨みからプロジェクトを頓挫させてやろうと、情報を上司が漏えいしたように見せかけたという。よほど強い恨みを募らせていたのだろう。

   社員が転職する際に、転職先への「お土産」として開発物を持ち出した例もある。このようなケースでは、単に転職先への便宜という意味だけでなく、前職への恨みや「この開発物は自分のものだ」という誤った帰属意識が背景にあったりする。

   「在宅勤務」のために提供されたシステムを悪用し、自宅にあるリモート環境から会社の機密情報を取得し、売却した例もあった。震災後の業務環境の変化に乗じた形だ。

   不正を予防する方法はいくつかあるが、単に締め付けを強めるだけでなく、ストレスを適度に緩和させることも必要という。一筋縄ではいかないものだ。

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