2020年 10月 20日 (火)

無類の営業嫌いが気づいた「初めての仕事のやりがい」

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   「焼畑営業」という言葉があります。訪問件数や売り上げだけを重視し、客先で調子のいいことを並べてセールスマシーンのように売りまくり、契約を締結したらパタッと顔を出さなくなる営業のことです。

   私も入社1年目は、そんな「焼畑営業マン」のひとりでした。2年目にオフィスの移転があり、机の上に雑然と並んだ名刺を片付ける必要がありました。当初は五十音順に並べようと考えましたが、いい機会なので分類をしてみることにしました。

A:今後も仕事でつながりが見込める人(「仕事」カテゴリー)
B:個人的にまた会いたい人(「知人」カテゴリー)
C:おそらく二度と会わないと思える人(「不要」カテゴリー)

500枚の積みあがった名刺の行方は…

   その数、およそ500枚。「この1年で結構な人に会っていたな」「顔が思い出せない。どんな人だっけ?」などと脱線しながら、2~3時間は続けていたと思います。

   しかし、結果は何ともガッカリするものでした。Aの「仕事」は30枚、Bの「知人」は10枚のみ。残りの460枚は「不要」のカテゴリーに入ってしまったのです。

   入社前から営業の仕事に嫌悪感を抱いていた私は、雑念を追い払うように、ひたすら訪問数を増やして注文を取ることに専念していました。お客さまに「自分のことを相手に分かってもらいたい」という気持ちなんて微塵もありませんでした。

   新規開拓で注文を取った会社も、50社以上あったはずです。ところが、次の仕事につながるような付き合いが見えてきませんでした。大きな成果を上げたものの、自分のやってきたことがとても単調で空しいものに思えたものです。

   注文は取れても、自分は何も成長していない。得るものを感じることができない毎日が続いていました。これから先もそんな繰り返しが待っているとしたら、「いくら注文が取れても耐えられないな」と感じ始めていました。

   その空しさを象徴するのが、不要のカテゴリーに積みあがった名刺の山。「どうせ同じ時間を過ごすなら、有意義に過ごしたい」――。そのとき、営業スタイルを変える決意をしました。出会った人と「次につながる営業」を心がけることです。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
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