2020年 8月 10日 (月)

中国の怒れる若者たちは日本の「団塊世代」のように豊かになれるか

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自分たちの未来を自ら閉ざした中国人学生

   ところで、中国経済は今、とても微妙な時期にある。単純な人件費の上昇に加え、雇用コストを大幅に引き上げる労働契約法の制定により、低コストでいくらでも労働力を確保できた時代は終わりつつある。実際、さらに人件費の安い東南アジア諸国がそういった役割を担うことになり、遠からず中国が「世界の工場」だった時代は終了するはずだ。

   そのタイミングで、中国経済はより付加価値の高い産業にシフトせざるを得ない。逆に言えば、そうやって国民の所得を増やしていけるかどうかが、先進国にテイクオフできるかどうかの次のステップなのだ。

   もちろん、そのアプローチとして「最低賃金を引き上げろ」とか「定年まで面倒み続けろ」と国が規制するのはバカの極みで、基本的には企業がそういう投資をしたがるように、規制緩和でビジネス環境を整備し、インフラを整え、優秀な人材をプールできるよう教育にも投資せねばならない。

   そういう意味では、暇そうな若者たちが、気にいらない企業の店舗や工場に放火し略奪してまわっている光景は、世界の企業に衝撃を与えることだろう。しかも政府が「愛国無罪」とか言ってろくに取り締まる姿勢も見せず、補償責任も放棄している姿勢は、この国がグローバル企業の事業拠点としては致命的な問題を抱えていると宣言しているようなものだ。

   筆者の感覚で言うと、もうこれから中国には「燃やされてもいいような拠点」しか置かない企業が増えるのではないか。

   団塊世代は暴れるだけ暴れたものの、大半の学生は「裏で就活はちゃっかりこなして」(by 猪瀬東京都副知事)企業社会にエグジットし、豊かになっていった。自らがエグジットするはずのポジションを破壊してしまった中国人学生が、団塊世代と同じ道をたどれるとは筆者には思えない。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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