2019年 11月 21日 (木)

「主人の口座に振り込まないで!」 給与を奥さんの口座に振り込めるか

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   厚生労働省のパワハラ6類型では「個の侵害」として、上司が部下の私的なことに過度に立ち入ることを諌めている。業務に関係ないことに、会社が関わりすぎてはいけないというわけだ。

   しかし、プライベートな事柄でも、放置しておくと仕事や会社に影響が出るものもある。ある会社では、工場長の夜遊びが過ぎると奥さんに「なんとかやめさせるよう会社も協力して」と泣きつかれてしまい、人事が頭を抱えている。

「キャバクラ通いで家計は火の車。部下へのおごりもやめて」

――製造業の人事です。ある工場で工場長を務めるAさんの奥さんから、人事に電話がかかってきました。内容は「Aさんのキャバクラ中毒」についての相談です。

   Aさんは、今年春からキャバクラに通いはじめ、いまではすっかりハマってしまったようです。地元の駅近くにある数軒のキャバクラを、週に1~2度必ず回っています。

   キャバクラへは部下を何人か連れて行き、お酒を飲んで気が大きくなって、最後は会計をぜんぶ自分で引き受けてしまいます。奥さんは、こう嘆いています。

「子どももまだ小さく、私も時間を見てパートで働いているのですが、ただでさえ家計がギリギリなのに、これでは生活が持ちません。蓄えの底が見えてきているので、主人には『いい加減にお店に行くのはやめて。少なくともおごりは禁止』というのですが、耳を貸さないのです」

   そして、キャバクラ通いを阻止するために、毎月の給与を奥さんの銀行口座に振り込むよう変更をしてほしいというのです。

   もちろん労働基準法に「賃金の直接払いの原則」があるので、奥さんの要望に簡単に応えられないのは承知していますが、確か単身赴任中の給与の振込先を複数にする例はあったと思うのです。

   工場長の家庭破綻は仕事にも悪影響を及ぼすので、会社としても何か手を打ちたいのですが、どういったことが考えられるでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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