2024年 4月 20日 (土)

広告代理店の営業 「年金をもらえるまで生きていない」って!?

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   「早死にする職業ランキング」という何とも物騒なモノを、週刊誌「SPA!」電子版が2013年7月16日に発表した。

   一見すると必ずしも典型的な3K職場ではなく、世間で華やかと認識され合コンでもモテそうな業界もランクインしている。事故と隣り合わせでない仕事なのに「短命」となるのはなぜか。

業務における「裁量権の少なさ」がストレスを高める

上司や取引先の影響が強いほど裁量は小さくなる
上司や取引先の影響が強いほど裁量は小さくなる

   事故以外で職業が寿命を縮める要因について、SPA!では産業医・榛原藤夫氏のコメントを引用して説明している。

   1点目は「裁量権の有無」。自分で業務をコントロールできるほどストレスが少なくなる。2点目は「過重労働・暴飲暴食」だ。すなわち裁量権が少なく、長時間残業が続き、生活が不規則となって大量にアルコールを飲むような職業人は、命を縮めてしまうのだ。

   これに当てはまるワースト1位には、「大手広告代理店の営業」が選ばれた。2位以下は「IT企業の下請けSE」「チェーン飲食店店長」「若手官僚」「病棟勤務の看護師」と続く。官僚といえども、若手のうちは裁量が小さいようだ。

   インターネット掲示板では、ランキングに議論が起きている。「広告代理店の仕事は大変なんだぞーって言いたいだけ」と冷ややかな意見もあるが、「ここの会社に勤めている人たちに聞いたけど、本当みたい。無事に定年退職をしても、年金をもらえるまで生きていないって」と納得する人もいる。

   ネットの質問投稿サイトでも、たびたび「広告代理店は激務か」に関するやり取りがある。「10年間営業職だった」という回答者は経験談として、連日深夜残業でタクシー帰りが続いた時期もあったが、仕事が落ち着けば友人と飲みに行けたし、夏休みも取っていたと明かしている。

   一方で、精神的に病んでしまった経験もあり、同期や後輩の何人もが同様に苦しんでいたそうだ。ほかにも、新卒後3年間営業で都内広告代理店に勤務していた男性は「激務の末、精神疾患を患い田舎に一旦引き上げ療養」し、復帰を目指していると書いている。

国連が日本政府に過労死・過労自殺の防止措置を勧告

   2013年7月10日の「リクナビNEXT」にも、26歳女性から社会復帰の方向性について相談が寄せられている。新卒で広告代理店に採用されて1年半営業を担当するも激務で体調を崩し、部署を異動したものの完治しないまま2年余りで退職を余儀なくされたという。

   「過重労働」に関しては、人材サービス「インテリジェンス」が2012年7月2日、25~34歳のビジネスパーソン5000人を対象とした残業時間に関するアンケート調査の結果を発表している。

   平均残業時間は月28.6時間で、調査を始めた2007年以降で最多を記録。職種別で最も多かったのが、映像クリエイターの67時間だった。広告の営業は40.5時間で11位。SPA!のランキングとは単純には比較できないが、広告代理店の営業の残業時間が平均を大きく上回っている点は共通している。

   ランキング5位の「病棟勤務の看護師」やタクシー運転手(6位)、LCCの客室乗務員(7位)、トラック運転手(10位)は勤務時間が不定期で、労働時間と休憩時間の境もあいまいになりやすい。トラック運転手が長時間残業を強いられ、残業代を求めて雇用主の運送会社を提訴した例もある。

   国連の社会権規約委員会は2013年5月17日付で、日本政府に対して長時間労働などが原因の過労死や過労自殺に懸念を表明、防止のための措置を強化するよう異例の勧告をした。一生懸命働いて年金を納めても、貰えるまで生きていられないような世の中では厳しい。

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