2020年 7月 12日 (日)

「早く風邪治せよ!」 おせっかい上司に口ごたえした新人が「クビ」の危機

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   組織で生き延びるには、上司との人間関係が一番大事――。古い昭和のサラリーマンの話かと思いきや、欧米の会社でも似たような場合も多いそうだ。感情の生き物である人間が集まるところ、やはり好き嫌いの要素を排除することは難しい。

   ある会社では、上司の過剰な励ましに部下が腹を立てて怒鳴ってしまった。すると上司は人事部に行き、「あいつをクビにしろ」と言ってきたという。人事はどういう処分をしてよいものかと迷っている。

「連日の残業が原因。気合いでは治らない」とブチ切れ

――メディア会社の人事です。当社の営業課長はとても熱い人で、「義理人情浪花節」を地で行くタイプ。口癖は「気合だ!」「やる気出せ!」ですが、そんな課長が新入社員のAくんをクビにしろと言って聞きません。

   残業続きで体調を崩したA君が会社を休んだある日、心配した課長は彼の家まで見舞いに行ったそうです。左手に栄養ドリンク、右手にレトルトのおかゆや生姜、リンゴなど栄養のあるものをたくさん抱え、「早く治せよ」と声をかけて帰りました。

   翌日出社したA君に対し、課長はいつものように「おお、来たか。今日もやる気出していこうな。風邪なんか気合いで吹きとばせ!」と言ったとか。無理して出社していたA君には、それが気に障ったようです。

「課長、気合いなんかで風邪は治りませんって…。元々は連日の残業が原因なんだし、昨日も課長が家まで来るというから休めなかったんですよ。僕の状況が読めないんですかね。今日はもう帰りますから!」

と怒りをあらわにして帰宅してしまったそうです。

   それを聞いた課長は、すぐに人事に来て「新人のクセに口ごたえなんかして、タダで済むと思うなよ。そんな根性のないやつはクビだ! 無理なら人事でどっかに異動か何か処分しろ」と怒鳴りこんできたのです。こういうとき、A君に何か処分をしたほうがよいでしょうか――

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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