2024年 4月 19日 (金)

「履歴書は手書きにすべきか」議論に終止符を打つ 結論とその理由は……

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組織の合理性を問うリトマス紙

   そもそも手書きの履歴書が好ましいと考える理由は、とても曖昧なものばかり。

・人となりがわかる
・漢字が書けるか、丁寧な文字が書けるかが大事である
・手書きは心がこもっている
・応募に際しての熱意が判定できる

   どれも精神論です。

   人となりを知るなら、面接で話したほうがいいですし、漢字がかけるかテストしたいなら、別途漢字テストを受験させればいいでしょう。心がこもっているか、熱意があるか、というのなら、志望動機書を別途書かせたほうが的確に判定できるでしょう。

   事実、履歴書の文字からはなにもわからないので、普通は別途志望動機やら面接やらをします。なのに、手書き派は、あくまで手書きが大事だという。

   まあこのあたりは、お互い議論しても平行線をたどるので、議論しません。どうしても手書きの履歴書をみないと「安心できない」と考える人もいます。合理的な考えをいくらいったところで、まったく理解できないのですから。

   しかし、ここが最大のポイントです。履歴書は手書きが好ましいと考えるのは、非合理な組織かどうかの、とってもわかりやすいリトマス紙です。

   わたし個人的には、非合理な慣習や精神論をよしと持ち上げるような組織には就職したくありません。そういうところは容易に「ブラック」になり兼ねません。

   つまり、3割の「手描きが好ましい」と答えた企業は、重要なブラック企業シグナルを発してくれていると考えても良いでしょう。その上で、Wordで印刷した履歴書を提出すれば、そういうブラック企業は「不利」に扱ってくれるというのですから、これは逆のスクリーニング効果を発揮します。

   もちろん、精神的なことを大事にする企業にぜひ行きたいという学生もいるでしょう。そういう方は、ぜひその手書きが好ましい3割の企業をねらって、より丁寧な「筆書き」をしてみてはいかがでしょうか?血判状とかをつけるのも「熱意が伝わる」という意味で有効かもしれまんし。(大石哲之)

履歴書は、「手書き」派?パソコン派?
手書き派
パソコン派
どちらでもよい
履歴書に縁がない
その他
大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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