ビジネス英語は「不完全」で構わない 単語の羅列でもいい、とにかくしゃべれ

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   「日本人は英語が話せない」は長年のテーマだが、企業のグローバル化が進む現代において、社会人にとっては英語力の向上が避けて通れなくなってきた。

   ビジネスで使う以上、百パーセントのレベルまで上げなければならないのではとしり込みするかもしれない。だが「週刊東洋経済」2013年11月16日号では、「7割英語」で十分乗り切れるとの特集が組まれた。

間違いを気にしない南米出身者、日本人は「黙り過ぎ」

   特集記事では冒頭、英・仏語講師の井上大輔氏のこんな説明を引用している。

「一般的な商談レベルであれば、高度な英語力がなくても十分に通用することが多い」。

   今まで学校で学んだ英語に少し上乗せすれば、仕事で使えるというのだ。その条件は「中学+α」の文法力、基本1500語と自分の専門分野の用語を合わせた語彙力、TOEICは600点以上が目標、そしてメールでやり取りするためのライティング力を磨けばよい。「ネイティブ並み」を目指すよりずっと気が楽だ。

   一番の問題は、本で勉強しても実践しない、つまり実際に英語での会話を実践しないことにある。「自分の英語なんて通じないのではないか」「間違ったら恥ずかしい」と下を向き、黙ってしまう。細かな表現を気にしてなかなか言葉が出てこない。ある40代の日本人男性は、しばしば国際会議に出席し英語で発言する機会が多い。会議の場では「しゃべり過ぎがインド人で、黙り過ぎが日本人、と言われます」と苦笑する。

   記事では、突然海外営業部門に異動した人のケースが紹介されている。仕事の現場が最大の上達の場になり、「単語の羅列」でも顧客に通じた、文法が間違っていても気にする必要がない、といった手ごたえをつかんだ。元大リーガーの長谷川滋利氏は、「驚いたのは、南米の選手などは、相手が話していることがわからなくても自信を持ってしゃべっている」と現役当時を振り返っている。また自身の体験から「僕らが日本語をしゃべれるように、続けていれば英語は絶対しゃべれるようになる」と強調した。

   多少違っていてもひるまない姿勢はとても重要だ。かつてアフリカに駐在した経験のある男性は、滞在中に現地の人から「メーク・ア・ライト」と言われてきょとんとしたそうだ。その場の状況から考えて「(部屋の)電気をつけてくれ」との意味だったという。多少強引でも意味は通じるさ、くらいの考えの方が、「理論武装」ばかりを気にするよりもはるかに必要な要素と言えそうだ。

実は「カタカナ英語」でも通じる

   脳科学者の茂木健一郎氏は「プレジデントオンライン」2013年8月12日付記事で、ズバリ「なぜ日本は英語を話せないのか」を論じている。「フィーリングで、迅速に言葉を選んでいく経験が足りない」との主張だ。

   茂木氏は一例として、日本語の「干す」と「乾かす」を挙げた。似ているようで若干違う2語をどう使い分けるかは「微妙なフィーリング」に基づいている。英語でも同じというわけだ。日常会話の場面では、文法が正しいといった観点で会話を組み立てていては間に合わず、多少意味が違っても臨機応変に言葉をつないでいくのが大切。英会話でも、文法の正誤にこだわるより「なんとなくこう」というフィーリングを鍛えることを勧める。

   先述の「週刊東洋経済」には、英語圏出身の女性の座談会がある。そこでは「発音はあまり気にしないでいい」「文法がちょっと間違っていても、気にする必要はない」「カタカナ英語でも大丈夫と、ホッとできそうな「証言」があった。一方、フィリピン人男性の英語講師は「時にインド人の英語は理解できないことがあるし、豪州やスコットランド出身者の発音も聞き取りにくい」と明かす。同じ英語圏同士の人の会話ですらこうなのだから、外国語として英語を話す日本人が「通じなかったらどうしよう」と悩むなかれ、というわけだ。

   もちろん、いつまでも「サバイバル英語」のレベルにとどまる必要はなく、語学力を磨けば会話の内容も仕事のうえでも幅も広がるだろう。ただ「入門段階」ではいくら知識を詰め込んだとしても、相手と向かい合った時点で言葉を口から発しなければ何も始まらない。英語はコミュニケーションツール、との理解が必要なのだ。

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