「カタカナ英語でなんとかなる」派は撃沈 フィリピンなまりに「完敗」の理由

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   今回からは、日本人にとって大きな課題である「英語」について何回かにわけて連載します。

   今回は、カタカナ英語は通用するのか?という議論です。

   日本人は、恥ずかしがらず、カタカナ英語でもどんどん喋ればいいのでは?

   綺麗な英語をしゃべろうとして萎縮するのではなく、がんがん喋りまくることが大事だという記事も散見されます。

カタカナ英語はそもそも通じてませんよ

カタカナ英語でなんとか・・・ならない!?
カタカナ英語でなんとか・・・ならない!?

   筆者はフィリピンのセブ島に渡航し、日本人の英語学習の現状を取材してきました。

   今回訪れたのは、英会話学校のサウスピーク。塾長の柴田氏 にお話を伺いました。

   柴田氏は痛烈です。

「いえいえ、カタカナ英語はそもそも通じてませんよ……たぶん身振り手振りで理解してもらっているのではないでしょうか?
   ためしに、船って、英語でなんていうかわかりますか?」

   「ship」ですね。

「はい。shipですが、sh の発音が、発音したつもりになっているひとが多いのです。多くの日本人がsipと発音をしています。なぜなら日本語にshの音は存在しませんから。このように日本語には存在しない音が英語には多くあるため、日本人のカタカナ英語ではなかなか伝わりません。
   他にも、日本人の多くは子音だけで発音する英語の発音についての理解が有りません。だからいつも日本語で発音するのと同じように母音で終わるように発音をしています。これでは聞き手に理解されません。このいつも母音で終わる発音がいわゆるカタカナ英語です」

   そこで、カタカナ英語をチェックしてもらえるという発音矯正レッスンというのを受けてみることにしました。

   「厳密な発音チェックをおねがいします」とお願いしました。

   わたしの英語は、普段ちゃんと通じているので、へんな間違いはないだろうと思っていたのですが……。

   結果は、見事に撃沈。発音レベルとしては、通じないことはないけれども、いくつかの基本的な部分で、通じにくい発音や、間違って覚えている発音があることがわかりました。

   たとえば、

   birth (生まれる)

   ですが、私の発音は、b- ur (ゥアー)- th に聞こえるようです。

   次は、もっとショッキング。

   short (短い)

   ですが、sh - ohhhhh (オオー)- t に聞こえるらしい。

   本来は、or なので、舌を巻いたRの音をしっかりいれないと、shortには聞こえないそうです。

   Rを意識して発音してみるけど、2回やっていずれもNG。

   自分では発音しているつもりが、そう聞こえてない。そういう単語があることを知りました。

カタカナ英語と、日本人なまりの英語は違う

   さらに、相当ショッキングだったのが、thの発音です。

   thって、「舌の先をはさみながら音をだす」というもので、みなさんも中学生のときにやりましたよね。

   アレなんですが、わたしの場合、すこし早く話すと舌の動きがついていかず、

   全部、DやTの音に聞こえる(つまりカタカナ英語)に聞こえるそうです。

   Thisではなく、dis(ディス)

   I think ではなく、I tank(タンク)

「タンク(戦車)にきこえるわねぇ」

   正直ショックです。

   アイ・タンクは文脈によって相手にはちゃんと通じますし、今後も通じるでしょうが、時折「タンク」と聞こえるという診断には、やっぱりショックでした。

   やはり、英語の習いはじめにまともに発音について学ばず、文字や綴りばかりを覚えて、かってな発音をおぼえこんでいるのでしょう。これを矯正するのは一苦労。

   この様に書くと、意地悪なひとからこういう指摘がきこえそうです。

   「おいおい、フィリピン英会話で発音の矯正だって?フィリピン訛りの英語で矯正うけてもだめなんじゃないの?」という声がコメント欄につく様子が想像できたのですが、そこが今回の記事の肝であります。

「カタカナ英語と、日本人なまりの英語は違う」

   ということです。

   thや、shをちゃんと発音できたうえで、日本人特有のアクセントや訛りがあるのは別ですが、th や shの音が違うと、そもそも訛り以前の話です。フィリピン訛り、インド訛り、シンガポール訛り、英語もいろんな訛りがありますが、それでも、th や shは、ちゃんと発音されているでしょう。

   つまり、みんな訛り以前の話なのです。

   よりまして、前述の結論は、

「カタカナ英語は……ほとんど全く通じないが、フィリピン訛りの英語は通じる」

   というものでした。

答えは「ネイティブ級」派と「カタカナ」派の中間に…

   柴田氏の話をあらためて伺いました。

   なんでも、日本人がフィリピンでうけて最も満足度が高いのは、発音チェックだそうです。発音のチェックだけは、相手に自分の発音を聞いてもらう必要があるからというわけです。

「フィリピン人は、中学生でも発音はクリアにできてます。日本人はとにかく、発音がそもそも間違っていることが多いです。とにかくカタカナ英語を脱出するというのが、通じる英語の第一歩」

   要するに、

   (1)ネイティブ級の訛りのない英語 > (2)日本訛りがあるけど正しい発音 > (3)カタカナ英語

   の3段階があるということ。

   どうも、世間では(1)でないと通用しないというネイティブ至上主義か、冒頭にものべたように(3)カタカナで喋りまくれの両極端の話が多いようにおもいました。

   私もふくめ、多くのひとがそうであるように、日本で育ち、外国語として英語を学ぶ人にとっては、目指すべきは間違いなく(2)日本訛りがあるけど正しい発音でしょう。

「ちなみに、いちばん厳しいチェック方法は、GoogleでもiPhoneのSIRIでもいいので、音声認識にむかって文章を喋ってみてください。認識されたら、発音OK。 日本人の普通の人はほとんど認識されません(笑)超難しいです」

   わたしもgoogle音声認識にむかって語りかける日々が始まりそうです(笑)。(大石哲之)

「カタカナ英語でOK」派ですか?
カタカナ英語でOK
ネイティブ並みじゃないとダメ
(フィリピンなど)訛り英語でOK(カタカナ英語はダメ)
ジェスチャーと日本語で何とかなる
その他
大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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