2013年は「ブラック」、新年は「信義則」 キーワード変化の予感と希望

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   昨2013年度は、「ブラック企業」というキーワードをよく目にしました。

   端的には労働者を使い捨てて搾取するような悪徳な企業のことを指しますが、労働者が過敏になって、自分にとって少しでも不利なこと、嫌なことがあると「ウチの会社はブラックだ!」と言ったりネットに書きこんだりする人が増えている気がします。

   例えばこのようなコラムがありました。

   「『待遇』努力しているのに『ブラック企業』とネットで批判 社員にSNS書き込み禁じていいか」(11月22日配信)

相次いだ「バイトのSNS書き込みで営業休止」

   業務上で上司から注意を受けたり、自分のミスから怒られたりしたら「パワハラだ!」という人も増えています。その結果として怒れない上司が増え、ますます増長する労働者に頭を抱えるという状況に陥っている会社もあるくらいです。

   昨年は労働基準監督官が主役のダンダリンというドラマが放送されました。

   ドラマは労働基準法を守っていない会社を正し、労働者の権利を守るという分かりやすい図式でした。このドラマを見た人は、「自分の会社はどうなんだろうか」と自分事に置き換えるようになるのではないでしょうか。つまり社員からのチェックの目が厳しくなるということです。したがって企業側も就業環境をきちんと整備することが求められます。

   一方で就業環境を整備しても、労働者のモラルが低ければ問題は減りません。

   アルバイトが面白半分でソーシャルメディアに載せた写真が原因で、店舗を営業休止や閉店せざるをえなくなったというニュースが増えました。これは社会的にモラルが低下している象徴です。働く姿勢が問われる時代になってきており、労使双方で働く上で必要なことを見直していく必要があるのではないかと考えています。

   今後職場で最も重要となるのは、民法の信義誠実の原則です。信義則とも言われますが、相互に相手方の信頼を裏切らないよう行動すべきであるという法原則のことを言います。労働基準法の遵守も大事ではありますが、それ以前に労使間の信頼関係について見直す時期なのではないでしょうか。

   実際に私が見てきた会社の中でも信義則が成り立っている会社は、社員も元気に働いていますし、会社の業績も良いです。本年度はブラック企業の話題が減少し、

   このような会社が増えることを切に願います。(野崎大輔)

尾崎 健一(おざき・けんいち)
臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て2007年に独立。株式会社ライフワーク・ストレスアカデミーを設立し、メンタルヘルスの仕組みづくりや人事労務問題のコンサルティングを行っている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。
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