2019年 12月 7日 (土)

出向銀行マンを襲った「トンデモない濡れ衣」 社長の説明不足が悲劇を生む

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   銀行時代の同期も続々取引先出向となる年代になりました。そんな一人Uさんと飲んだ席で興味深い話を聞かせてくれました。

「いやぁ出向当初は大変だったなぁ。社長には順調に気に入ってもらえたものの、他の幹部社員がどうも打ち解けてくれなくてね」

「外から来て次期社長の座を狙っている太いヤツ」

「幹部社員なら分かって当然」と説明不足だと…
「幹部社員なら分かって当然」と説明不足だと…

   Uさんは銀行取引先の電機部品メーカーに1年前に出向。取締役総務部長として二代目社長補佐役の企画・総務担当役員を期待されての入社でした。取締役は他に技術畑2人、営業畑1人の計3人。幹部間の人間関係で苦労したというUさんの話を聞いた私は、銀行からの出向者に対する生え抜き幹部にありがちなよそ者イジメかと思ったのですが、よくよく聞いてみると事情は少しばかり異なっていたようでした。

「出向当初に社長から『うちの弱点でもある企画・総務面の右腕として専業的な私のフォローを頼む。他の部門には勝手な口出しは絶対するな』と言われていたこともあって、とにかく総務的な立場からサポート役に徹し社長を立てることに専心したのだけど、どうも僕の業務姿勢がなぜか他の取締役方のお気に召さなかったようなんだ。社長も徐々におかしなムードに気づいたのか、遂には『仕事はともかく、社内の人間関係がうまくいかないなら辞めてもらうことになる』とまで言われてしまい、どうしたものか随分悩んだよ」

   困った彼は、酒の席などを使って他の社員に自分の社内での評判を聞いて回ったと言います。それで分かったことは、銀行から「社長の右腕」を見込まれて来た新役員は、「建設的な意見のひとつも言わず社長とマンツーマンで打ち合わせばかりして迎合しているゴマすり野郎」、挙句には「外から来て次期社長の座を狙っている太いヤツ」とまで言われていたようで、そんな会社のことを何も分からないイエスマンをわざわざ外から受け入れる必要があるのかと陰口を叩かれていたのでした。

   詳しい実態を知ったUさん。自分の仕事は社長の期待に沿うものなのに、なぜか他の役員からは受け入れられるどころか陰口を叩かれている。そんな理不尽な状況下を苦痛に感じ、健康を害する寸前までいってしまったそうです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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