マスコミが食いつく ニュースリリースの実践的作成法を指南

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   東京都千代田区にある中小企業を訪問した時、「ニュースリリースを自前で書きたいと思っているのですが、ポイントを教えていただけますか」との依頼を受けた。

   ひと昔前なら、ニュースリリースがなくても、記者が興味を持ってくれたら取材に来てくれた。しかし、活字メディアがインターネット上の情報氾濫に押されて、発行部数減→記者減となり、大新聞の記者ですら「ニュースリリースはありますか?」と、ニュースリリースの提出を求めるのが当たり前になった。一方、インターネット上をみると、ニュースリリースの作成ビジネス、リリースサイトの運営ビジネスなどが展開されており、結構な対価を頂戴している。ニュースリリースが書ければ、自社のホームページにも添付できる。そこで今回は、ニュースリリースの書き方について、詳しく解説する。

タイトル(見出し)の重要性

   まずは体裁から。一般的にはA4の用紙を使う。一番上の右端に年月日を入れる。2行目の左端には「各位」と入れる。次いで、3行目の右端に会社名を入れる。4行目の真ん中にはタイトル(見出し)を大きめの文字で入れる。ここまでで最も大切なのは、タイトル(見出し)。文字通り、新聞の見出しを想定して、ひと目でどんなニュースかが分かるようにする。

   新聞の見出しは、主見出し、袖見出しに分かれている。それと同じように、タイトルは2行に分け、1行目はより大きな文字で何がニュースかが分かるようにし、2行目でどこが、いつ、どのようにしてといった要素を織り込むとよい。その際、世界初、日本初という売り文句は安易に用いないこと。中堅・中小企業が本当に世界初、日本初かを確認するのは不可能に近い。おそらく初めてだろうという程度で、世界初、日本初を使うとクレーム問題に発展しかねない。メディアをミスリードすることにもつながる。ここは抑えて、オーバーな表現にならないよう努めてほしい。

   さて、いよいよ本文。ここで最も大事なのは、重要な事柄から順に書いていく"逆ピラミッド"型とすること。何がニュースかを第1センテンスにすべて盛り込み、第2センテンス以下はその補足と考えて作成していく。

「本文の第1センテンス作成」に精力を傾ける理由

   例えば、製造業の場合、次のようになる。

   ○○株式会社(所在地、社長名)は超小型の○○を開発いたしました。たばこの箱程度の大きさで、○○や○○の一層の小型化に貢献できます。価格は○○円で、従来品と同程度。○○日から全国の販売代理店を通じて販売、初年度○○の売り上げを見込みます。
   超小型の○○は、部品を全面的に見直し、小型化・ユニット化を徹底することにより完成しました。ユーザーである○○業界は持ち運びできる大きさの製品開発を志向しており、これにより持ち運び可能な○○製品の実現に一歩近づきます。○○株式会社は○○で培った技術を今回の製品開発に応用し、ユーザー業界の期待に応えました。

   以上の例だと、どこが、どのような特徴を持つ製品を開発し、いつから、どこに、いくらの価格で、どのくらい売るかが最初のセンテンスで分かるようになっている。言い換えると、見出しが最初のセンテンスを見ただけで作れるようになっている。多忙な読者は、見出しだけ、あるいは最初のセンテンスだけしか読まないケースが多い。ニュースリリースもそれに合わせて、タイトル(見出し)と本文の第1センテンス作成に全精力を傾ける心構えで作成すると、良いリリースができる。

   ニュースリリースの本文は1枚に抑え、2枚目は会社の概要と、問い合わせ先を付ける。このニュースリリースを自社のホームページに貼り付ける時には、会社概要と問い合わせ先を外した1枚を掲載すればいい。何でもかんでも盛り込もうとすると、リリースは長くなり、ニュースの焦点がぼやけてしまう。ニュースを提供するのだから、簡潔明瞭が一番だ。(管野 吉信)

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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