2019年 12月 11日 (水)

「誰も辞めない組織」は恐ろしい 体育会系採用の光と影

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人とは本来「ほっておいても一定数が辞めるもの」


   そして、再審請求が認められて48年ぶりに釈放された袴田氏の一件からも、筆者は濃密なムラの論理を感じている。上司や先輩が逮捕した被疑者なのだから、どんな手を使ってでも公判を維持しなければならない。そうしたムラの論理の積み重ねが、48年もの間、一人の人間の身柄を拘束し続け、ついには司法に「捜査機関が重要な証拠をねつ造した疑いがある」と断罪される顛末にいたった本質ではないのか。


   もし警察や検察といった組織の人材が、自身が組織人である以前に市民であるという意識をもっと共有できていれば、はたして同じ結果になっただろうか。警察官の一芸採用は、間違いなく「辞めない、ガッツのある優秀な警官」をもたらすだろう。でもそれが本当に社会全体のためなのかどうかは別問題だ。


   筆者の経験でいうと、人とは本来「ほっておいても一定数が辞めるもの」であり、人の出入りのない組織は必ずどこかが狂っているものだ。一企業なら狂うのも自由だが、狂った権力機関だけは勘弁願いたいと思うのは筆者だけだろうか。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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