2020年 9月 21日 (月)

役職員を信頼すれども放任せず 実は恐ろしい「無届けサイドビジネス」

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「繊維メーカーA社の工場で購買業務を担当する社員が、自分が代表者を務める会社に製品の梱包材を発注するよう仕向け、架空の納品書、検収記録、請求書を偽造。仕入れ代金を詐取した」
「イタリアの有名婦人服ブランドの日本子会社B社(すでに倒産)の元社長が、自分が経営する衣料品輸入販売会社にB社の資金を不正に融資した容疑で逮捕された。融資金は回収不能となり、B社に9億円近い損害を与えたとされる」
「上場企業の子会社でクラウドサービスを提供するC社の前社長が、複数の取引先に架空の請求書を出させて、外注費の支払いを偽装。約1億5000万円の所得隠しをするとともに、キックバックを受領していた疑いが浮上した。東京国税局はC社と前社長を脱税容疑で告発した」

   これらは、ここ1か月で報道された企業不正である。3つの事件には、不正リスク管理の教訓となる共通点が見て取れる。

子会社の社長が自ら不正

サイドビジネスの実態とは…
サイドビジネスの実態とは…

   まず、3件とも取引先への支払プロセスを悪用している点だ。取引先に請求書を発行させたり、自ら偽造したりして正当な取引を装い、まんまと会社に資金を支払わせるのである。表向きは書類が整っているため、現金や預金のあからさまな着服よりも見つかりにくい。

   次に、B社、C社の事件では、子会社の社長が自ら不正を行っている。絶大な権限をもつ経営トップの不正に対しては、内部統制も効き目がなくなってしまうし、子会社に対しては親会社の目も行き届きにくい。海外の子会社となればなおさらである。

   また、A社、B社では、役職員がサイドビジネスとして経営する会社が不正の受け皿として利用されたという共通点がある。就業規則において役職員の副業を禁止している会社も多いと思うが、一人ひとりの状況を細かくチェックするのは難しいだろう。上記の事件でも、会社は全く気づいていなかったのではないだろうか。

   3つの事件を読んで「まさか、うちの会社に限って」と思ってはいけない。どんな会社にも外注先はあるし、社員が会社に内緒でサイドビジネスをやっていないとは言い切れない。「うちは大丈夫か?」という視点で、次のようなポイントを押さえることをお勧めする。

甘粕潔(あまかす・きよし)
1965年生まれ。公認不正検査士(CFE)。地方銀行、リスク管理支援会社勤務を経て現職。企業倫理・不祥事防止に関する研修講師、コンプライアンス態勢強化支援等に従事。企業の社外監査役、コンプライアンス委員、大学院講師等も歴任。『よくわかる金融機関の不祥事件対策』(共著)、『企業不正対策ハンドブック-防止と発見』(共訳)ほか。
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