2024年 4月 24日 (水)

日本に足りないのは「ポジティブな変革」 チームや組織が変わらないのは「他人のせい」?

日本企業、経営戦略では「過去のリーダー」

   ビジネススクールの授業の中で日本企業について語られる場面は大きく二つ。オペレーションの授業では、間違いなく日本企業はスターの座を維持しています。一方で、経営戦略の授業になると、製品のコモディティ化、そして安価な労働力によって追い越された「過去のリーダー」として扱われるケースが多い。ではなぜ追い越される前に変わることができなかったのか。キーワードとしていくつもの授業で出てきたのが「Slow Decision」という言葉。変化するチャンスはあったのに、官僚的かつ硬直化した意思決定プロセスがそれを阻んだ。年功序列の分厚い階層に妨げられて、結果として遅きに失した経営戦略しか描けなかった事例は皆さんもすぐに思いつくのではないでしょうか。

   昨今語られるのが日本のホワイトカラーの非生産性で、労働時間を効率的に短縮していくことが叫ばれていますが、残業代を出さないだけで効率が上がるかというと疑問です。

   「失われた20年」を乗り越えるために本当に必要なことは何か。日本では今でも素晴らしいビジネスの種が生まれています。それを実現するための技術やクオリティ、「おもてなし」にあふれたサービスもあります。個人的には、こうしたビジネスアイデアを拾い上げ芽生えさせる、迅速かつ柔軟な意思決定プロセスを作り上げることが一番の急務だと感じます。では、そのためにポジティブな変革をどう生み出していくか。

室 健(むろ・たけし)
1978年生まれ。東京大学工学部建築学科卒、同大学院修了。2003年博報堂入社。プランナーとして自動車、電機、ヘルスケア業界のPR、マーケティング、ブランディングの戦略立案を行う。現在は「日本企業のグローバル・マーケティングの変革」「日本のクリエイティビティの世界展開」をテーマに米ミシガン大学MBAプログラムに社費留学中(2014年5月卒業予定)。主な実績としてカンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルPR部門シルバー、日本広告業協会懸賞論文入選など。
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