「過保護っぷり全開」リケダンのママ 目を疑うような「新一年生」の実態

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   新学年が始まって、もう2か月が過ぎた。早いものだなと思いつつ、筆者はある光景を思い出していた……さくら舞い散る校門の前で笑顔の新一年生。その横ではお母さんがほほ笑み、また、反対側には嬉し泣きのお祖父ちゃんとお祖母ちゃんが立っている。お父さんの掛け声と共にみなポーズをとり、カメラのシャッターがパチリときれる。日本の4月の風物詩である。「シャッター押しましょうか?お父さんも一緒にどうですか」と声をかけようかなとも思うが、余計なお世話かなと躊躇してしまう。

   ところで、この連載の読者にはことわるまでもないと思うが、これは、筆者が毎春見かける「大学の正門での光景」である。新一年生はみなスーツ姿で、勿論ランドセルは背負っていない。

両親が、小学校から大学まで入学式と卒業式に出席

記念写真を…
記念写真を…

   少子化で子どもの数が減っている。女性が一生に産む子供の平均数が1.4程度である事や、夫婦が生涯に持つ子供の平均数が2人を下回った(2010年実施「出生動向基本調査」)という事も耳にする。後者の調査は、(初婚で)結婚年数15~19年の夫婦対象なので、中には、ちょうど大学に入学するぐらいの年齢の子供を持つ人もいることだろう。

   たしかに、私の同級生の顔を思い浮かべてみると、子供一人の夫婦って結構いる気がする。まあ、「3人目が欲しい」と奥さんを拝み倒して産んでもらったら、生まれてきたのが双子だったという4人の子持ちの友人もいるが。是非、この友人やビッグダディを少子化担当大臣より表彰して頂きたいものだ。

   子どもの価値が上がっているというと語弊があるかもしれないが、現代では子供1人にかけられる時間とお金が増えていることは確かであろう。両親が、小学校から大学まで入学式と卒業式に出席するのも理解できる。子供が4~5人いた時代に全部の入学式・卒業式に出席していたら、式用の洋服代だけでも結構な負担になりそうである。

「大学も保護者や地域と協力して教育する時代」だが…

   一般に、子どもの入学式に参加する保護者の方は教育熱心で、教育する側としてもありがたい限りである。最近は、「小・中学校の教育は、学校・保護者・地域連携で」とよく耳にするが、大学も保護者や地域と協力して教育する時代である。

   ただ、ややもすると過保護っぷりが全快なリケダンとお母さんに出会うことがある。「うちのAちゃんは学校であった事を私に全部話してくれるんです。このまえB先生の講義が全くわからないって言ってました。わかりやすく教えるように言ってください」。たしかに、難しすぎる講義を行ったのはB先生に責を問うべきであろう。注意しておこう。ただ、お母さんの口からではなくA君本人から苦情を聞きたいものである。

   数年後には、会社の正門で新入社員とご両親と、母方の祖父母と父方の祖父母と皆で記念写真を撮る時代が来るかもしれない。そのときこそは、「シャッターを押しましょうか?」と声をかけることにしようかな……(プロフェッサーXYZ)

プロフェッサーXYZ(えっくすわいじぃー)

国立大学を卒業し大学院修了後、助手として勤務。現在は東日本の私立大学の教授であり、フラスコを持ったリケジョの研究指導をしたり、シュレディンガー方程式に頭を悩ませる男子学生の教育を行ったりしている。受験戦争世代と言われた時代から、バブル世代、ゆとり世代、そして、ゆとりは終わった?という現代まで様々な教育・研究現場を肌で体験している。大学教育のみならず初等~高等教育の現場とかかわりを持ち、日々「良い教育は?」の答えを模索し続けている。ちなみにカクテル好きというわけではない、下戸である。また、「猫」も飼っていない。
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