「宣伝臭いリリース」には冷たい視線  「広報と広告の違い」を理解するためのポイント解説

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   広報は、一般社会と良好な関係を構築し、維持していくための活動であり、パブリック・リレーションズ(Public Relations)活動と呼ばれる。略称は頭文字を取って、PR活動だ。

   一般にPRと言えば「もっとPRしなくては」「自己PRをして」というように、売り込みや宣伝の意味合いが強い。だからかもしれないが、広報と広告・宣伝の違いが分からない人は実に多い。とりわけ、広報部門を持たない中小企業はなおさらだ。今回は、中小企業広報の現場で多くの人が間違いやすいポイントを分かりやすく解説する。

メディアの目のつけどころ

(1)広報はお金がかからない。広告・宣伝はお金がかかる

   広報は、マスコミに情報を紹介して取材してもらい、報道及び記事掲載につなげていくことで社会への情報伝達を図ろうとする活動であり、メディアへの費用を要しない。

   一方、広告・宣伝はお金がかかる。新聞でいうと、記事下などと呼ばれるのが広告スペースであり、スペースに応じて金額が異なる。朝日、読売、日経などの全国紙だと、全面広告は1000万円を超える。

(2)展示会への出展後、ホームページ掲載後はニュース価値が下がる

   中小企業は営業意識が強い。新製品・新サービスができると、営業ツールを作成して多くの顧客に配ろうとするし、ホームページにすぐさま掲載する。また、展示会に出展して見込み顧客の拡大に努める。しかし、人目につけばつくほど、多くの人が知るところとなり、ニュース価値は下がってしまう。メディアは、社会性があり、ヨソにない特徴があり、それを多くの人が知らないから記事にする。企業が多くの人に知ってもらうため、こうした努力をすればするほど、特に大きな記事にはなりにくくなるわけだ。展示会に出展したり、ホームページに掲載したりしたあとは、ニュース価値が下がっているため記事にはならず、お金を払って広告・宣伝を打つしかない、といったことになりがちだ。

オーバーな表現、宣伝文句の羅列…

(3)ニュースリリースは宣伝ではなく、社会への情報伝達だ

   ニュースリリースは、メディアに掲載してもらうための最重要ツールだ。メディアは社会性、初めての製品・サービス、話題性、読者ニーズなどを総合的に判断して、掲載の判断をする。日々、膨大なニュースリリースが送られてくる中で、大企業は分かりやすい見出し、5W1Hをリリースの前段に収めて冒頭の10行を読めば全体が把握できるような構成に努めている。

   ところが、上場企業を含む多くの企業ではリリースが宣伝文章になっているのが実態だ。広報が一般社会と良好な関係を構築し、維持していくための活動であり、ニュースバリューがあって初めて掲載されることを理解していない会社が圧倒的に多い。最も多いのは、トップ自らがリリースを宣伝臭い文章に書き換えるよう指示を出すケースだ。具体的にはオーバーな表現、リリースの本質ではない宣伝文句の羅列、そのくせ肝心な部分でも都合の悪い部分は書かないといったことが目立つ。

   また、当該リリースの新製品・新サービスを生み出した事業部門長の思い入れが強すぎて、宣伝臭さ満載の文章になってしまうケースも多い。記者は多くのリリースと日々、接しているので、宣伝臭いリリースを出す会社を心の中でダメ会社扱いしている。掲載される確率が低下するのは言うまでもない。

(4)掲載記事のネット利用の際は許諾をとる

   コンプライアンス(法令順守)が叫ばれながら、掲載記事をホームページやFacebookに勝手に掲載したり、営業ツールに使用したりするケースが後を絶たない。記事の著作権はメディアに帰属しているので、これらは法律違反だ。コンプライアンスにうるさい人が見れば、法律を守れる企業かどうかがこれだけで分かる。記事使用の許諾料は年間に1万円もかからないケースがほとんど。クリーンなイメージをアピールするためにも、許諾はとっていただきたい。(管野吉信)

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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