いま話題の「エステ業界」 数年前に聞いた「叩き上げ」社長の驚愕の本音
2014.09.03 11:45
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「社員の気持ちになって考え方を変えてみようとは思わない」タイプ
私が伝えたスタッフ意見に対する社長の見解は以下の通りです。
スタッフ:評価制度がなく、給与があがらない。
社長:評価反映は賞与でおこなっている。がんばって役付きになれば役職手当がつく。
スタッフ:休暇が取りにくい。
社長:なるべく協力し合って取れるように指導している。現場に工夫と努力が足りない。
スタッフ:営業終了後の勉強会は残業がつかない。
社長:自主的におこなっているので業務ではない。嫌なら帰ればいい。
これらをしっかりと文句も言わずに社長の考えどおりにやって来た者が、現在の幹部社員になっているのだと。そして、そういう従順な弟子たちが会社を支えてきたのだとも。「若い人のわがままを聞いていたらうちの店はつぶれます」という発言の理由が、よく分かりました。自身も叩き上げでここまで来た。社員にも同じことを求めここまで会社を動かしてきた。それは変えようのない社長のスタイルだったのです。
我々が提示した労務管理改革を軸とした経営近代化案は拝辞され、結局この話はゼロクリアされました。
たかのBCの報道を聞いて真っ先に思い浮かんだのが、この女性社長の顔でした。くしくもたかの社長も言っています。スタッフの要求を聞いていたら「つぶれるよ」と。すべて社長の論理、会社の論理で通し、社員の気持ちになって考え方を変えてみようとは思わない。私には同じタイプの経営者に思えます。
この手の経営者の考え方はトップの求心力が強い間はなんとかなるのですが、それが低下した時、内部告発等により状況は一変しブラックと呼ばれるようになります。その主なきっかけは、社員死亡等事件の発生、トップの私腹肥やしの判明、トップの交代です。
件の美容院チェーンのカリスマ女性社長は、どうか。あれから3年、ブラック批判は耳にしませんが、既に70歳を越えながらいまだに社長のイスを降りることができずにいると聞いています。(大関暁夫)