2019年 12月 12日 (木)

「IT革新についていけない」 そんな経営者は退場せよ

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   テレビは年末総選挙の話題で持ちきりです。ある評論家が、こんなことを言っていました。「インターネット選挙が解禁後初の衆院選。各陣営手探り状態なだけに、ITに対する積極的な活用の有無が見えないところで勝敗を左右することもあるかもしれません」。

   ITの活用が勝敗を左右するのは、最近は企業運営でもよくあることです。以前の話ですが、大手の地方進出に必至に対抗していたエリア居酒屋チェーンB社の店長が嘆いていました。

「ここに来て急激な劣勢に立たされています。原因は大手のIT化。ファミレス化しつつある居酒屋の新しい戦略として、子供を使った顧客囲い込みを始めたのです。携帯電話を使ったゲーム要素を盛り込んだ割引サービスや、店内電子メニューによる遊び感覚のオーダーシステムが子供たちにウケて、そちらに客を取られています。うちの社長は若いのにITアレルギーで、IT化はカネがかかるとの先入観から取り合ってくれないのです」

   B社はほどなく大手資本に身売りし、その名前は完全に消えました。

「このソフトを使えばこういうことができるはず」が分かるレベルで十分

ちょちょいのチョイ
ちょちょいのチョイ

   やはり数年前の話ですが、美容院を複数店経営するS社の役員からこんな愚痴を聞かされたことも。

「カリスマじゃない美容院は、競争激化でサービスの質を落とさずにいかにコストダウンをはかるかが重要です。今は、IT化が欠かせない。顧客管理、メールを活用した予約システムや情報提供での囲い込み、さらにはスタッフのローテーション管理や資材の発注管理等、効用はかなり見込めるので社長に進言しているのですが、理解してもらえない。戦前生まれの女性社長には無理もない話かもしれませんが、導入メリットのイメージが出来ないみたいです」

   5店舗あったS社の店は現在2店舗。競争に負けてスタッフに退職を促し、規模縮小を余儀なくされ、家族経営的に昔ながらの「パーマ屋さん」に戻って細々やっているようです。

   高度成長期のような、黙っていても右肩上がりに業績が上昇するような時代はもう二度と来ないでしょう。経営者はどんなに小さな組織であろうとも、ビジネスの最先端で仕事をしなくては生き残っていけない時代なのです。

   その最たる知識がIT技術。現代における経営者たるもの、最低限のIT知識や関心は持たなくてはいけないでしょう。これは前回取り上げた「仕組み化」の問題とも密接にかかわっています。今の時代、ITの知識なしに効果的な仕組みを作ることはできない、と言っていいからです。

   もちろん、経営者が自身でシステムを作る必要はありません。中には、「俺が社内で一番ITに詳しいんだ」と言わんばかりに、一所懸命にいろいろなITを駆使した仕掛けを作りたがるオタク系経営者もいますが(なぜかこのタイプが2代目に多いのは、先代に対するコンプレックスの裏返しなのでしょう)、それでは本末転倒です。必要なことは、「この技術、このソフト、このアプリを使えばこういうことができるはず」ということが分かるレベルで十分です。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。 連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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