2024年 4月 17日 (水)

1・2年生は就活のために今、何をしたらいい? オススメ5項目を公開

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   今回のテーマは「大学1・2年生」です。

   大半の1年生は大学入学直後、ということもあり、のんびりしています。そして、それは2年生も同様。就活はまだ遠い先の話、ということでのんびり。

   もちろん、それはそれで問題ありません。

   ところが、一部の1・2年生は早い時期から就活を意識し始めます。 私が就活生向けの講演やイベントに参加すると、1~3割は1・2年生であることがよくあります。

「ムダ」意識を捨てて教養科目を受講

大学1・2年生からできるコト
大学1・2年生からできるコト

   大学教員に話を聞くと、大学の立地・難易度などに関係なく、1~3割の学生は1・2年生のうちから就職を意識している、とのこと。

   当然ですが、彼らからは、

「1・2年生のうちに何をしたらいいか」

との質問が寄せられます。

   そこまで早く就活のことを意識しなくても、と思わないでもないのです。

   ただ、それでは回答になっていないので、まとめてみました。

   高校生は大学受験で、どの科目が受験に必要か、不要か、冷静に考えます。

   そうしないと、大学受験を突破できません。効率よく勉強する、という点では正しい戦略です。

   では、大学に入るとどうでしょうか。

   就活とは無関係そうな、教養科目をたくさん受講しなければなりません。専門科目でも、理論などの科目があり、面白くないと考える学生も結構います。

   ある程度、興味を持てる科目を中心に履修した方が良いのは言うまでもありません。

   とは言え、1・2年生の段階では、「ムダ」「興味が持てない」としか思えない科目・分野が就活、あるいは社会人になった後、かなり重要になることがよくあります。

「文学部卒で、特に経済のことなどは勉強していませんでした。しかし、メーカー勤務の今は為替相場などが気になります。為替相場次第で会社の業績も大きく変わりますし。そう言えば、就活中に、為替レートを面接中に聞かれたこともありました。当時は、何でこんな無関係な質問を、と思いましたが、今はどの学部だろうが知っておかないとダメ、ということがよくわかりました」(メーカー採用担当者)

   経済に限らず、文学・哲学なども、実学でないにしても、教養としては抑えておきたいところ。

社会人と話す機会を増やす

   高校生には、反抗期ということもあるのか、それとも、違う世代と話すことへの恐怖心があるのか、社会人と話す機会を持ちたがりません。

   同じ年代で話していた方が楽であるのは、高校生でも大学生でも社会人でも皆同じです。

   しかし、就活では、その気楽さがありません。

   グループディスカッションは同じ年代であっても、違う学生同士。面接は違う年代である社会人が面接担当者です。

   ここで、社会人と話し慣れている学生は、連戦連勝・・・とまでは行かなくても、結構いいところまで行きます。

   少なくとも、面接恐怖症に陥ることがありません。普段から社会人と話し慣れているわけですから。

   つまり、1・2年生が取るべき面接対策とは、早いうちから就職塾に通うこと・・・ではありません。社会人と話をする習慣を付けておくこと、です。

   ここで多くの1・2年生は、そんな社会人、周りにいない、と言い出しますが、それはウソ。

   大学の講義をする教員、ゼミの担当教員、図書館職員、アルバイト先の店長・先輩バイトなど探せばいくらでもいるはず。

   特に大学であれば、オフィスアワーと言って、学生の相談に乗る時間を各大学とも設けています。

   社会人との接点が多そうなアルバイトをしてみるのもいいかもしれません。

   親・親戚というのも大きいですね。就活のことを聞いても、

「とりあえず、頑張れ」

程度しか話せないでしょう。

   でも、若手社会人に対してむかっと来たこと、仕事を進めるうえで得することなどを聞いてみると、それぞれ一家言あって面白いですよ。

   違う職業・違う業界を志望しているにしても、間違いなく参考になると思います。

   さらに理想は、親・親戚の職場の飲み会に連れていってもらうこと。普段は見えない社会人の素顔やルールを知ることができて、これもお勧めです。

実務家講義・大学コンソーシアムの単位互換制度を利用

   社会人との接点を増やす、という点では最近、各大学で増えてきた実務家をゲストに呼ぶキャリア科目もお勧めです。

   ゲストではなく、講師として担当している科目もありますし、銀行・証券・保険会社・自治体などが寄附講座として開講している大学もあります。

   後者であれば、銀行なら支店長や各部署の課長クラス、自治体だと部課長クラスがリレーで講義を担当します。自治体の寄附講座だと、大学によっては市長・県知事が最終講義を担当することも。

   もし、自分の大学にそうした科目がない場合は、大学コンソーシアムや単位互換制度を提携している近隣の大学に出向いて、受講するのもいいでしょう。これだと、一定数まで単位が認定されます。

   なお、キャリア科目でなくても受講科目はありますし、早稲田大・立教大など5校が参加するf‐Campus、京都の大学がほとんど加入している大学コンソーシアム京都、大阪大などが参加している大学コンソーシアム大阪などは規模が大きいです。

単位認定外のキャリア講座・プログラムに参加する

   キャリア科目以外では、単位認定はされませんが、大学が実施するキャリア講座に参加するのもいいでしょう。

   これ、各大学とも単位認定外ということで集客に苦戦していますが、内容はどこも充実しています。

   キャリア講座がなくても、キャリア関連の行事やプログラムがあれば、それに参加することをお勧めします。

   目的はキャリアだけ、というわけではありませんが、大阪経済大ではZEMI-1グランプリを実施しています。

   ゼミの参加希望者(ゼミによっては必須)がチームを作り、テーマを決めて、研究を進めます。そして、大学教員だけでなく学外の社会人が審査員となり、その審査員の前でプレゼンをする、という行事です。

   単なる発表会と言われればそれまでですが、学外の社会人も審査員として参加しているところがミソ。

   大阪経済大は偏差値が高いとは言えない、中堅私大ですが、この行事参加の学生を含め、近年、在阪企業からの評価が急上昇している大学です。この行事がすべてとまでは言いませんが、結果的にはかなりけん引役になっています。

   こうした行事やプログラムがあればぜひ参加してみてください。

新聞・本を読む

   学生から新聞を読み続けている新社会人に聞いたところ、

「新入社員研修で新聞の読み方研修があった。今さら、と思っていたら、学生時代に新聞を読み続けていたのは30人中、自分以外に1人だけ。内定者・新入社員でもこの程度だから、1・2年生のうちから、新聞を読み続けていれば、かなりの武器になる」

とのこと。

   ネットニュース全盛の時代ですが、どうしても、すべてのニュースをカバーできているわけではありません。

   読解力を高める、という点でも読むことをお勧めします。

   本や漫画も同様で、興味を持った本だけでなく、ときには興味がもてなさそうな本もあえて読んでみてください。

インターンシップはどうしよう?

   ところで、ここまで書いてきて、1・2年生からは、インターンシップが気になるという声が上がるかもしれません。

   まず、1・2年生向けに大学が実施しているインターンシップであれば、参加してもいいでしょう。

   問題は3年生向けですが、これは時間があれば参加してもいいです。ただし、一部の企業を除けばインターンシップと就活(採用)は直結しません。つまり、無理に参加する価値はそれほどないのです。

   詳しくは、次々回あたり予定で3年生向けインターンシップを開設しますのでその時にでも。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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