凄いコトになっている就活用写真 「ガクチカ写真」狂想曲

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   今日のテーマは「ガクチカ写真」です。

   就活において、どんな履歴書用証明写真が目立つかは話題になります。伊勢丹で撮影するといいとか、どこそこの写真館が有利とか。その話を当の写真館が流していることもありますし、修正のしすぎで「エントリーシート美人」(実物は大したことない)と呼ばれることも。

   この履歴書用証明写真ではなく、

「あなたらしい写真を添付してください」
「学生時代のあなたを表す写真を添付してください」

   など、エントリーシートに証明写真以外の添付を求める企業も増えています。

なぜその写真を選んだのか、その理由を記してください

撮りますよ~
撮りますよ~

   写真の添付と同時に、

「なぜその写真を選んだのか、その理由を記してください」

など、説明を求めることも。

   言うなれば、「学生時代に力を入れたことは?」、略して「ガクチカ」の変化球版。

   それくらい、写真はいくらでも撮っている?いえいえ、それがなかなかうまくいかないようです。

   学生と大学、企業からそれぞれ協力を得て、約1000枚、まとめて読んでみました。すると、傾向が見えてきたのです。

自信なし学生は、風景、証明写真

   自分に自信を持てない学生、特に男子学生で目立ったのが、添付しないか、添付しても風景写真でごまかすパターン。

「添付なしは論外。書式を守っていない、ということで本選考ではそのままゴミ箱行きです」(メーカーA社)
「本人が写っていなければダメ、とは指定していませんから、風景写真を論外とはしませんが・・・。どういう意図で写真添付をさせているのか、わかってほしいところです。風景写真の学生は会ってみると、コミュニケーションがうまくない学生が大半です」(商社B社)

   添付なし・風景写真は論外としても、多いのがリクルートスーツ姿の証明写真。これは男子学生だけでなく、女子学生にも出てくる傾向です。

「『あなたらしい写真』と指定していて、それでリクスーの証明写真。絶対ウソだろうと思います」(流通)
「証明写真を貼るところがあるのに、わざわざもう1枚なんで貼るのでしょうね?よっぽど、学生時代に自信がないとしか思えません」(飲食)

   証明写真よりも、ましなのが、目つぶり。これは評価が分かれました。

「オタク系男子学生だと、研究室で何か作業をしている1人の写真が多いです。で、大体は目をつぶっている。よっぽど、写真を撮られる機会がないのか、と疑ってしまいます」(流通)
「目つぶりの写真、確かに印象は良くないですが、話をしてみると、まじめなタイプが多いです。切って捨てる、ということはないですね」(商社)

   目つぶりと同様に評価が分かれたのが、識別不能写真。本人らしき学生は写っているのですが、それが本人かどうかは識別不能。

「幼児時代の写真を添付する学生がいます。指示していなくても、学生時代の写真を添付しろよ、とイライラします」(メーカー)
「後姿の写真を持ってくる学生が目立ちます。自信を持てないし、実際に大したことをしていない学生もいれば、その逆もいます。識別不能の写真を持ってくる学生はちょっと読めないです」(商社)

2~3人パターンで自信なし女子学生は

   自信を持てない女子学生は、男子学生と違って、2~3人の写真を持ってきます。

   ただし、自信のない学生なので、小さくしか写っていない、どこにいるかわからない、など、自信のなさが表れてしまっています。

「絶対に真ん中だろうと思っていたら、左隅に小さくしか写っていない、ということはよくあります。男子学生よりは社交的でも自信のなさが写真に出ているのでしょう」(流通)
「成人式や入学式など親と一緒の写真を出す学生がいます。親の話はこちらからは聞きづらいテーマですが、写真があれば聞きやすいです。それに親と一緒の写真を持ってくる学生は、いい意味で社会人とのコミュニケーションに慣れています。選考の終盤まで残りやすいです」(飲食)

   サークルの飲み会、研究発表の記念写真など、集合写真を持ってくる学生も多いです。2~3人パターンと合わせれば、単独パターンを抜いて、最多でした。

「2人がよくて、3人がダメ。あるいは10人以上がダメ、というわけではありません。50人でも100人でもいいです。ただ、本人が写っているかどうか、わからない写真が多すぎて」(商社)
「矢印を付けて『私』と表示する、それか、せめて説明書きの文章で自分のいる場所を明記するか、その辺の配慮はほしいところです」(メーカー)
「3~4人パターンで真ん中、それもカメラ目線の学生がいました。その学生が応募してきたのか、と思いきや、違いました。実によくある話。女子学生に目立ちます」(流通)

複数枚添付はルール違反?

   1枚と言わず2枚、3枚と添付する学生もいます。

「うちだとアウト。『あなたをもっとも示す写真』と指定しているのに、複数枚添付はルール違反です」(飲食)
「特に断っていないので、複数枚添付も問題ないです。ただ、複数枚添付の学生、大体がごちゃごちゃしすぎ。会って話すと、話をきちんと整理できない子が多いです」(商社)

   今回の調査で目立ったのが、野球部、野球系サークルと吹奏楽サークルです。

   他の部活が目立たない中、この2サークルは、関連写真が多かったです。

   野球部だと、練習風景や、試合の写真。吹奏楽も、練習風景か演奏会の写真を持ってくる学生が目立ちました。

   写真としては、練習や試合・演奏会の方が自然です。しかし、就活ではどうでしょうか?

「高校野球の地方予選の写真を持ってきた学生がいました。試合の写真としてはいいのですが、本人かどうか、判別できません。野球が好き、ということ以外はわからないので、情報としては薄いです。それだけで落ちるということはありませんが」(メーカー)
「吹奏楽だと、目をつぶることの方が多いです。ただ、本人かどうかわからないですし、それなら多少わざとらしくても、楽器をもっているだけの記念写真の方がいいです」(飲食)

結局、いいのは記念写真?

   では、どんな写真がいいのでしょうか。

   自然に写っているか、わざとらしい記念写真でも、本人かどうか、ちゃんと判別できるものがいい、という意見が多数。

「記念写真で十分です。旅行先で、観光地のお約束、顔出しの撮影版利用とか」(メーカー)
「うちだと、写真だけで採用を決める、というのはまずないです。ただ、ちゃんと書式や指示を守っているかどうか。それから、学生本人がわかって、学生個人の日常風景がわかるものなら、加点することもある、という程度。真面目に机に向かっているだけ、というのもありましたし、にっこり笑っている写真も多いです。ベタですが、それでいいんです」(流通)

   学生から気恥ずかしいかもしれないですが、普段から自分がちゃんと写っている写真をおさえているかどうか、そこで差が出るようです。

「学生本人は撮れているつもりでも、実はちゃんと撮れていない写真が多いです。面倒でも、普段のアルバイトなり、サークルなり、旅行なりでちゃんと撮影する、あるいは自分の写真を撮ってもらうと、結構違うと思います」(商社)

   学生からすれば、印象付けるために、ユニーク、一発芸に走るパターンもあります。

「クールポコの『なぁーにー』の方をまねて、厳しい表情で、手には、自分の名前を書いた半紙。面白いですけど、こういう学生、毎年います。些末なことに時間をつぶして、それでいて新聞もろくに読んでいない学生が多いので、お勧めはできません」(メーカー)
「ダイエット前の巨漢の写真と、ふつうに痩せた写真を並べた学生。話を聞いたら、単に写真アプリで変えただけでした。それなら、最初から記念写真でいいのに」(飲食)

   あれこれ深読みしすぎるなら、まだ記念写真の方がましなようです。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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