2020年 11月 30日 (月)

「アリさんマーク」引越社めぐる騒動 社の対応の何が問題になっているのか

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   「アリさんマーク」と赤井英和氏のテレビCMで知られる「引越社」が、社員に対して不当な異動を命じたとして裁判になっている件については、皆さんもネットニュース等でご覧になったことがあるだろう。

   先日は、当該社員A氏が加入した労働組合のメンバーが同社前で抗議活動をおこない、彼らに対して同社幹部が恫喝的に対応する様子を記録した動画がネット上で拡散して話題になった。

両者の言い分とは

残業をめぐっても・・・
残業をめぐっても・・・

   現在も騒ぎは拡大しており、労働組合「プレカリアートユニオン」が、引越社に対して命令の無効や業務改善などを求めた署名活動を、署名サイト上で開始、多くの賛同者が集まっている。

   同社幹部の恫喝の様子があまりに強烈なので、その面ばかりが強調されて伝えられているが、同社が行ったとされることの何がブラックなのだろうか。これまでの事件における経緯の概要を、「労働組合側の主張」と「会社側の主張」に分けてお伝えしながら解説していきたい。


<労働組合側の主張>
(東京地方裁判所でおこなわれた裁判における、A氏本人の意見陳述内容を要約。9月30日)

・仕事中の荷物破損や車両事故の損害を給与から天引き、長時間労働、残業代未払などが同社内で常態化している
・具体的には「引越作業で荷物が破損した際、担当した従業員に連帯責任を負わせ、給与から弁済金を天引き」「運送中の事故でトラックが傷つき、修理代金として40万円を負担させられた」などの事象があった
・同社男性社員のA氏がプレカリアートユニオンに加入し、上記に関して団交を申し入れたことをきっかけに、1日中立ちっぱなしの「シュレッダー係」へ異動させられた
・異動取消の裁判を起こしたところ、A氏は懲戒解雇を言い渡される。しかも多数の社員がいる前で、懲戒解雇の通知書を読み上げられた
・さらに、A氏の氏名と顔写真入りで解雇理由を「罪状」と題した紙を全支店に貼付け、社内報にも掲載された
・A氏の仮処分申立等によって懲戒解雇は撤回、復職が決まったが、引き続き「追い出し部屋」であるシュレッダー業務を強いられ、紙の掲示はむしろ増えている
・労働組合が、同社前において大音量で街宣活動をおこなうことに対して、同社幹部が抗議


<会社側の主張>
(日刊スポーツ記事「引越社、社員提訴に反論 処分男性は勤務態度に問題」より。10月2日)

・労働組合の街宣車が、同社前において大音量で主張を繰り返すやり方は脅迫と同じだ
・労働組合は「残業代が未払い」と叫び続けているが、労働基準監督署から「残業代は払っている」と認められている
・A氏の異動は労組加入が理由ではなく、勤務態度によるもの。8か月で7回遅刻しており、交通事故を起こし、人身事故だったがお詫びにも行かなかった。それら理由により、A氏が勤務可能な7支店長全員が受入れを拒否したため本部に戻さざるを得なかった
・懲戒解雇処分も提訴が理由ではなく、機密事項の漏洩によるもの。社員の住所や電話番号、取引先の情報を漏洩させ、そこに労働組合のビラがまかれている

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
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