2024年 4月 19日 (金)

先輩を置き去りにして総スカン 職場の「お約束」どう受け止めよう(高城幸司)

数か月後には、とうとう

   さらにその後輩は「半分おいていきます」と飲み代をおいていきました。先輩が誘ったら、先輩が支払うのもお約束。翌日に「昨日はご馳走様でした」と御礼を言う姿が示されることで、先輩のプライドが保たれる形になっていました。ところが後輩は、状況を理解せず前日の御礼もありません。飲み代を半分払ったのですから、御礼などいらないと判断したのでしょう。

   後輩Dさんの行為は、相当マイナスに作用することになりました。翌日には、先に帰られた先輩経由で後輩のお約束破りが社内に共有され、

「あいつは転職するらしい」

とささやかれ、職場にいづらい状況になってしまいました。数か月後には、とうとう退職されたようです。

   みなさんの職場には、独自のアンリトン・ルールはありますか? 最近は、仕事のあとの飲み会の強要などはパワハラとみなされるのでお約束から外されつつありますが、日常の業務では様々なお約束があり、それを破ると......つらい目にあう状況の職場はたくさんあります。例えば、会議で意見を求められたら、

・否定的な発言はしない
・相手の発言を称える姿勢を示す

がお約束という職場もあります。会議の前に議題について経営陣と関係者がすり合わせをしており、形式的な会議に過ぎないので会議の場で反対意見が飛び出すことを誰も想定していません。以前に何回か反対意見を発言した人がいたようですが、その人は次の人事異動で会議に参加できない立場に変わることになったとのこと。ほとんどの人はお約束を守らなかった報復人事であることを理解したようです。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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