有意義に使いたい3年生の夏休み インターン以外何ができるか

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   今回のテーマは「3年生の夏休み」です。この時期、3年生から「夏休みのうちに何をすればいいですか」と、よく聞かれます。

「インターン以外だと、旅行でも何でもいいんじゃないの、学生らしい学生生活を送っていれば」
 

   この答えに、社会人読者の大半は納得していただけると思うのですが、学生は不満顔です。

「もうちょっと具体的にないですか? これをやれば内定が出やすいとか」
 

   学生の個人差があるので「これ」というのは難しいのです。が、あえて、ということで、インターン以外で何ができるか、解説してみます。

  • 「自分の部屋」を文章にしてみる
    「自分の部屋」を文章にしてみる

ガクチカ写真対策も

   当連載48回目で「ガクチカ写真」について紹介しました(2015年9月7日付「凄いコトになっている就活用写真 「ガクチカ写真」狂想曲」)。「ガクチカ」は「学生時代に力を入れて頑張ったこと」の省略形ですが、これを写真で示せ、という企業が増えています。夏休みにそうした写真を準備しておいて損はないかもしれません。

   実際、この写真で引っかかる学生が意外と少なくありません。他でもない、普段自分の写真を撮ることがないからです。まあ、よほど自意識過剰な学生でもない限り、自分の写真など撮らないでしょう。そのため、いざエントリーシートにガクチカ写真を、となったとき、サークルやゼミの集合写真などでごまかす学生が続出します。集合写真では当人がどんな学生かよくわかりません。

   別に特殊なシチュエーションである必要はありません。旅行でのスナップ写真、観光地によくある顔出しパネルでもOK。アルバイトやサークル、ゼミの日常風景などでも構いません。条件は「本人が笑顔ではっきり写っている」「ネガティブな印象を与えない」「1人か2人、多くても3~5人程度。かつ、必ずセンターにいて目立つ」です。とりあえず、夏休みに自分の写真を撮りまくる、というのはどうでしょうか。

「自分の部屋」を文章に

   文章を書くのが苦手な学生が少なくありません。苦手でも、エントリーシート・履歴書に文章を書いていくことになります。文章力の向上も、時間に余裕のある夏休みに取り組みたいテーマです。

   文章が苦手な学生にも、いくつかのパターンがあるのですが、多いところで言えば、状況説明と感想・アピールを混同しているパターンでしょうか。状況説明とは、その状況を見ていない人にも分かるように説明することです。

   たとえば、私は今、この原稿を大分行きのANAの機内で書いています。大分県立芸術文化短期大学で講演をするためなのですが、その機内の状況を書くとこんなところでしょうか。

「私の座席は機内中央にある非常口の横、飛行方向に向かって右側の席だった。離陸前、客室乗務員が『緊急時にはほかの乗客が脱出する際のお手伝いをお願いします』と伝えてきた。搭乗率はざっと80%程度、ほとんどの席は埋まっている。離陸後の飲み物サービスのとき、客室乗務員を改めて見ると、ピンクのブラウスの人が1人、水色のブラウスの人が2人いた。瀬戸内海上空を飛んでいるとき、気流が悪いのか、少し揺れた」

   この文章、面白みも何もありません。まあ、それが状況説明なので。一方、こちらはどうでしょうか。

「機内に着くまでが大変だった。羽田空港の搭乗口は一番端にあり、走ったからだ。とても疲れた。早朝便のため、早起きしたせいもあってとても眠い。うつらうつらしていると、途中で揺れてそれで起きた。機内を見回すと、客室乗務員と目が合い、ちょっと気まずい思いをした」

   疲れただの、眠いだの、気まずいだの、これは感想です。感想やアピールはあくまでも主観です。状況説明に求められるのは客観性です。

   エントリーシートでいえば、自己PRや志望動機は主観が中心となります。一方、ガクチカは、「自己PRを交えて」との条件がない限り、客観性が求められます。分からない人にも分かるように説明する、ということですね。

   こういった文章を書くことに早めに慣れておくと、エントリーシート作成もはかどります。というわけで、夏休み中にできることは何か。

   自分の部屋、自宅周辺などを文章にして、状況説明をしてみるといいでしょう。簡単そう? 意外と面倒です。慣れてくれば、新聞の4コマ漫画を文章にする練習も有効です。

インターン、文春、不便さ......

   自分にはちょっとハードルが高いかな、と思うレベルのインターン選考に参加する――これは特に準難関・中堅大学の学生にお勧めです。東大早慶の学生がゴロゴロいそうな大手企業のインターン選考、あるいはビジネスコンテストなど、なんでも構いません。

   行けば行ったで「負けている」と感じることが多いはず。目的は「負けている」と感じることにありますから気落ちする必要はありません。どのみち、就活本番に入れば、「負けている」と感じる場面に遭遇することがあります。言うなれば「学歴じゃんけん」のようなもの。

   ですが、これも慣れてくれば、難関大だからみんなすごい、というほどでもないことに気付いてきます。負けていると思うなら思うで、いい部分を真似すればいいだけですし。

   次。甘利大臣口利き疑惑、イクメン議員不倫、ショーンK学歴詐称、ベッキー・川谷不倫などなど、昨年から絶好調の「週刊文春」。ついには「文春砲」と呼ばれるようになりました。ターゲットの読者層は40代から60代であり、学生が主たる読者ではありません。その学生があえて週刊文春を読むというのはどうでしょうか。

   就活に関連した特集をよく掲載しているわけではありません。読む目的は何か、といえば、学生にとって違う世代、上の世代が何を考えているのかを知るためです。これは、新聞でも、ビジネス誌(「週刊東洋経済」など)でもいいですし、このJ-CASTニュースでも構いません。ただ、総合週刊誌である週刊文春を読む学生はそうそういません。夏休み中に手に取ってみるのもいいのではないでしょうか。

   もう一つ。普段は電車で通学する大学まで自転車で行く(往復半日程度で済むなら)、東京から大阪まで「普通」で行く(青春18きっぷを使えば安上がり)、携帯電話を1日封印する、夜に電気を付けない......なんでもいいのですが、あえて不便を経験するのも、夏休みならでは。日常と違うことをやってみると、違う視点から物を考えることができて面白いはずです。

   もちろん、3年生の夏休みに、私の本を手に取っていただくのもいいかも、と最後はCMで本稿の締めとさせていただきます。(石渡嶺司)

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。2003年からライター・大学ジャーナリストとして活動、現在に至る。大学のオープンキャンパスには「高校の進路の関係者」、就職・採用関連では「報道関係者」と言い張り出没、小ネタを拾うのが趣味兼仕事。主な著書に『就活のバカヤロー』『就活のコノヤロー』(光文社)、『300円就活 面接編』(角川書店)など多数。
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