2024年 4月 26日 (金)

「やや甘めに」ほめるといい時代 「好印象」に引きずられずに(高城幸司)

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評価が歪められていないか

   ここで注意したいのは、「ハロー(後光)効果」に惑わされないことです。ハロー効果とは、心理学者エドワード・ソーンダイクによって名づけられた造語で、心理的効果の一つ。 ある対象を評価する時に、一つの顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象を指します。

   すなわち、人が何かを評価する際、ある部分的な特徴によって全体の評価が大きく変化してしまう心理的な現象を言います。例えば、かつて仕事で大きな成果をあげたり、社内においていい仕事ぶりを見せた人がいたとします。その人を、今は何も成し遂げていないのに、過去の印象だけでほめてしまうこと。あるいは、

・身だしなみがいいから仕事も出来る
・海外留学経験があるから外交的に違いない
・資格を取得しているから有能なはず

などと決めつけることです。

   ほめる場面でいえば、このハロー効果に惑わされて誤ったほめ方をしてしまうことがよくあります。例えば、朝の挨拶が元気な営業担当に対して、その印象だけで「君は営業力がある、大したものだ」とほめる人がいたら、それはハロー効果による誤解です。元気のよいコミュニケーション自体はほめられてもいいでしょうが、仕事の成果まで拡大解釈するのはいかがなものでしょうか。ほめられた本人にもいい影響はありません。勘違いしてしまうだけです。

   「ハロー効果」の影響を考えずに人をほめることは、慎んだほうがいいでしょう。やや甘めな「ほめ」を容認する時代になりましたが、甘さと誤解は違います。ほめる効果を高めるためにも、相手をよく観察するようにしたいものです。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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