2024年 4月 19日 (金)

「いつかは東京離脱」約4割 そこに待つ「現実」受け入れ?

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   この夏、お盆休みを故郷で過ごし、束の間リフレッシュした人も多いに違いない。都市圏より物価が安く、空気も水もおいしい、いつか地元に帰るのも悪くないかも──そんな思いが頭をかすめた人は、いったいどのぐらいいただろうか。

若い世代も移住願望強く

ほんとうに何にもないんだ......
ほんとうに何にもないんだ......

   2年前に行われた「東京在住者の今後の移住に関する意向調査」によると、東京在住者の約4割が地方移住を検討している(都内在住の18~69 歳の男女 1200 人に対するインターネット調査。2014年8月21日~8月23日実施)。

   調査結果では、「今後移住する予定又は移住を検討したい」と回答した人は、「今後1年」「今後5年をめど」「今後10年をめど」「具体的な時期は決まっていないが、検討したい」を合計して全体の約4割(40.7%)だった。この4割のうち関東圏(1都6県)以外の出身者は約5割(49.7%)。

   性別・年齢層別に見ると、最も「移住熱」が高いのは50代男性で50.8%。ただし、50代女性は34.2%と低調。夫婦で意見が食い違い、「移住するなら、おひとりでどうぞ」といった展開にもなりかねない。

   男女とも10・20代の移住希望者が比較的多く、「移住する予定又は検討したい」と回答した人は46.7%だった。進学や就職、結婚などで東京に出てきたけれども、東京とは水が合わなかったということなのだろうか。

   「移住検討のきっかけ」や「移住したい理由」は、年代・性別によって大きく異なる結果に。10?30代の女性では、「結婚・子育て」をきっかけに、「出身地や家族・知人がいる」ために地元へのUターンを考える人が多い。これが30代男性になると「転職」「退職」をきっかけに、「スローライフを実践したい」と移住を選択肢に入れるように。60代男女では、「退職」をきっかけに「地域居住を考える」人が多かった。

ネットには「がっかり」の声も

   ただ、移住を考えるにあたっての不安・懸念点として「働き口が見つからない(41.6%)」「日常生活の利便性(36.7%)」「公共交通の利便性(35.9%)」「移住先の人間関係(30.3%)」を挙げる人が多かった。なかなか「今すぐ移住」とはいかないようだ。

   ツイッターをのぞいてみると、すでに移住した人、目下検討中の人から「不都合な真実」が。

「Uターン就職したら周りのやる気の無さにがっかり」
「普通に上京したら故郷を捨てたと言われ、Uターン就職したら都落ちと言われてしまった。なんでもいいじゃんね。真面目にやってんだから」
「よく都会じゃなく地方に就職したらいいのにと簡単に言うけど企業がない。あっても賃金が低いとか時給仕事が多い。Iターンは地域で年齢設定が低すぎてできない」
「新聞社時代に広告局の奴が、離島で暮らすとか憧れて、離島オタになり、色々ディープに地理、歴史、風習、習俗など詳しくなるにつれて移住したいと言わなくなったのを思い出した。閨閥化している人が怖いんだと言っていた」
「北海道移住したいって声をよく聞くんだけど(特に夏)、収入が東京の60%ぐらいで物価は地場の物しか安くないし、家賃クッソ安いけど冬の暖房で帳消しになるし、移住してできる仕事なんて札幌にしかないし、支店経済だから営業職がほとんどだし、道民って想像以上にモラル欠けてるから」
「スローライフしたいけど虫には耐えられない」

などなど、「夢」であるうちはしかと見えていない現実の重みが、一つひとつのコメントからずっしりと伝わってくる。

   田舎の芝は青く見えるのか、日本全国どこでも住めば都なのか──移住するなら、熟考のうえにも熟考を。(KM)

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