2024年 4月 25日 (木)

育休前後の配置換え、違法かも... 会社としっかり話し合って(江上剛)

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3年間の産前・産後休暇と育児休暇を経て会社に復帰しました。しかしいまだに残業できない状況が続いており、先日、上司から「配置換えを考えている」ことを告げられました。同時に、「評価に響いている」ことも。たしかに産休・育休前に比べて成果が上がっていないことはあります。ただ、自分では今の仕事を続けていきたいと思っています。正式に配置換えがあった場合、応じるべきなのでしょうか?断るのは、わたしの我儘なのでしょうか。

   これは会社がダメですね。育休などを定めた法律の精神にも違反しています。

  • あとに続く女性のためにも、毅然とした態度で!
    あとに続く女性のためにも、毅然とした態度で!
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慣れた職場に復帰してもらうのが最適

   会社は産休後や育休後の職場復帰について、可能な限り元の職場に復帰させることを求められています。

   それは、育児と仕事を両立させるには、やはり慣れた職場に復帰してもらうのが最適だからです。

   会社も育休を取得する社員などがいる場合に、補助金を支給してもらえる国の制度などがあるようですから、そうした制度を利用して、産休・育休の業務への影響を軽減する努力をすべきですね。

   あなたの場合、ましてや育休を理由に評価を下げられるというのは言語道断です。救済機関に訴えることも考えましょう。

   しかし、現実的には、そういうわけにはいかないようですね。

   私の知人も、評価云々までは言われませんでしたが、育休明けに配置換えをされました。

毅然とした態度で臨む

   その彼女は、不本意だったようですが、訴えたり辞めたりすることもできず、そのまま配置換えに応じました。今は、割り切ってその仕事に取り組んでいますが、彼女のキャリア形成という点では問題です。彼女に不利に働いています。

   これでは彼女に続いて産休・育休を取得しようとする女性たちが現れません。日本の少子化問題の解決はほど遠いようです。

   私は、あなたを応援します。

   評価を下げて、配置換えを指示する上司に「自分のキャリアについてどう考えるのか」と、きちんと話し合いをすべきでしょう。

   もし、上司があまりに頑なであれば、弁護士に相談してもいいではないですか――。あなたに続く女性たちのためにも、ここは毅然とした態度を取られるほうがいいのではないでしょうか。

   決して我儘ではありません。

   きちんと話し合えば、上司も女性のキャリア形成を支援するほうが、会社のためになると理解してくれるかもしれません。(江上剛)

江上 剛
江上 剛(えがみ・ごう)
作家。1954年兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。同行築地支店長などを務める。2002年『非情銀行』で作家としてデビュー。03年に銀行を退職。『不当買収』『企業戦士』『小説 金融庁』など経済小説を数多く発表する。ビジネス書も手がけ、近著に『会社という病』(講談社+α新書)がある。
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