2018年 9月 23日 (日)

その32 形式的な年賀状 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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   「こんなものいらない!?」その28で、形式的な「喪中はがき」は不要であると書いた。それと似た理由で、形式的な「年賀状」もまた不要である。

   折しも11月1日、今年(2017年)も全国で一斉に、18年用年賀はがきが発売された。

  • 郵便局の「お手軽年賀はがき」の売り場。
    郵便局の「お手軽年賀はがき」の売り場。

「1パック5枚入り470円(税込)」は、結構いいお値段

   郵便局に行くと、チラシを渡された。「郵便局のお年玉付お手軽年賀はがき 全20種類」とあった。見ると、戌年(いぬどし)や新年にちなんだ絵柄のはがきに、下のような文面が印刷されている。もちろん、文面はほかにもいろいろあるが、みんな大同小異である。

「初春 皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします」
「謹賀新年 新春を迎え皆様のご多幸をお祈り申し上げますと共に本年もよろしくお願い致します」
「謹んで新春のおよろこびを申し上げます 旧年中はいろいろとお世話になり心より御礼申し上げます 本年もどうぞよろしくお願いいたします」
「穏やかで幸多き年になりますように 今年もよろしくお願いします」

   郵便局が「お手軽」と宣伝するのは、これらのはがきに宛先と自分の住所、氏名を書くだけで用が済むからだ。それらも印刷すればほとんど手間がかからない。このはがきは「1パック5枚入り470円(税込)」と、結構いいお値段である。

   手軽さの代償かもしれない。

自筆が1文字もない年賀状って......

   僕も毎年、こんな年賀状をよく受け取る。そして、はがきには自筆の文字が1字もないことが多い。これでは、相手がいま何をしているのか、元気なのかどうかなどが分からない。せめて一筆でいいから、何かを記してほしい。

   こういう年賀状は「形式的」の最たるもので、頂いても少しもうれしくない。ただ、僕のような年寄りが同世代の人からのこんな年賀状を見ると、「ああ、あの人もまだご存命なのだな」と、生存を確認する程度の意味はある。

   自分の近況などを述べた年賀状もよく受け取る。でも、文面も宛先も自分の住所氏名もすべて印刷で、自筆の文字が見当たらないと、やはり何か物足りない。

   本当に僕に出そうと思って出してくれたのか? 誰に出したかも覚えていないのではないか? そう疑ってしまう。やはり形式的である。

   形式的というのとは少し違うが、家族のことを印刷で長々と書かれるのも、読んでいてくたびれる。

   それも、僕と家族ぐるみの付き合いをしている相手ならまだいい。けれど、今まで会ったこともない息子や娘、さらには孫についていろいろ聞かされても、おもしろくもなんともない。ときには、ペットの犬や猫の近況まで書いてある。

   かく言う僕の場合は、文面は印刷だけど、近況はできるだけ短く書き、必ず一筆添えることにしている。宛先も相手のことを思い浮かべながら、自筆で書く。

   これが理想的な年賀状だと主張するつもりはまったくないけれど、受け取った人が差出人の「ぬくもり」を感じる年賀状であってほしい。(岩城元)

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岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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