2020年 8月 13日 (木)

稼いでも稼いでも「お金がない」不安 「貧困妄想」って何だ!?(北条かや)

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通帳の数字を見ても、なんの実感もわかない!

   説明されても、自分のこの不安が「妄想」だとは、にわかに信じがたい。当たり前か、妄想なんだから。医師の言うとおり「終わりがない」のだろう。

   医師の話を横で聞いていた母親も、うんうんと頷いていた。

「娘は、私たちがどれだけ説得しても『お金がない』と言って聞かないんです。それなりに預貯金のある通帳を見せても、ダメなんですよ」

   うわっ、恥ずかしい。が、医者の前で見栄を張っても仕方がない。私はカウンセリングルームで、不安を直訴することにした。

「貯金なんて、ないものと考えないといけないんです。結婚してからは、貯金がどんどんなくなっていって、本当に恐怖でした。私は会社員じゃないから、仕事を休んだらお給料が入ってこないし、貯金なんていくらあっても、すぐに消えていくんです。実際に通帳の数字を見ても、なんの実感もわかないし、『もっと貯めなければ』と不安になるだけです!」

   こう書いていると、アホらしいほど「ただの心配性」という感じである。

   社会学の祖、マックス・ウェーバーは、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で、キリスト教の一派であるプロテスタントが「神に救われるかどうか、死ぬまでわからない」という不安に取り憑かれ、「救われるためには労働に勤しむことだ」と、一心不乱に働くようになったと述べた。

   私も似たようなものだろうか。死ぬまで生活不安に襲われ続け、「働かなくては!」と、筆を走らせ続けるのだろうか。

   いや待てよ...... 私の場合は、勤勉なプロテスタントとは異なり、不安になりすぎて何も手につかず、締め切りを飛ばしたりするんだから、プロテスタンティズムの風上にも置けない。ただの「妄想ババア」である。全国のプロテスタントの皆さま、すみません。

   それにしても、この「貧困妄想」ってのは、本当に厄介だ。年末ジャンボ宝くじで10億円、当選しても、「お金がなくなる」との不安は残るだろう。それくらい、妄想というのは強固なんである。

   わかってくれる方、どこかにいませんか......?(北条かや)

北条かや
北条かや(ほうじょう・かや)
1986年、金沢生まれ。京都大学大学院文学研究科修了。近著『インターネットで死ぬということ』ほか、『本当は結婚したくないのだ症候群』『整形した女は幸せになっているのか』『キャバ嬢の社会学』などがある。
【Twitter】@kaya_hojo
【ブログ】コスプレで女やってますけど
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