2024年 4月 26日 (金)

プロがやりたい放題!? 上げては下げての「荒稼ぎ」の仮想通貨市場の現状(小田切尚登)

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   このところの金融関係のホットな話題といえば仮想通貨の話題であろう。「私はXX円儲けた」というような話が巷にあふれていて、一度くらい売買してみようと考えている人も多いのではないか。

   今回は、仮想通貨に投資するにあたって知っておくべきリスクについて解説してみたい。

  • 仮想通貨の急騰・急落は「仕掛け人」の仕業なのか!?
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仮想通貨は「証券ではない」

   最も大事なのは、仮想通貨には本質的な価値がないということだ。

   株式は企業の将来の儲けがその価値の源泉となっているし、円とかドルのような通貨は国家の信用力がバックとなっている。

   しかし、仮想通貨は、他の人に買ってもらえるかどうかがすべてだ。プロの投資家はそのことをわかっているので、うまく高く売り逃げることを最大の、いや唯一の目標としていると言ってよい。

   市場ではちゃんと値がついているではないか――。そう反論されるかもしれない。

   確かに仮想通貨の「時価総額」は合計で数千億ドル(数十兆円)あるとされている。しかし、時価総額とは最近の取引価格に発行済みの数量を単にかけ合わせただけの数字であり、現実にそれだけの価値があることを保証するわけではない。

   実際に、仮想通貨に投下された資金はすべてを足しても150億ドル(約1兆5000億円)未満と言われている。つまり、理論上いくら数十兆円の値がついていようとも、実際には1兆5000億円以上の金が戻ってくることはないということだ。

   いわば、椅子が非常に少ない椅子取りゲームのようなものであり、1兆5000億円を皆が虎視眈々と狙っている状況なのだ。

   1兆5000億円を参加者が公平に取り合うのならまだいい。実際には皆さんのような素人が参入したときは損をする可能性が非常に高い。マイニングの費用などの問題は別にして、最大の問題はプロの参加者による価格操縦があり得ることである。

   株式市場などで意図的な価格のつり上げ・つり下げを行えば、金融商品取引法上の違法行為となる。しかし、仮想通貨は「証券ではない」ので罰則の対象にはならない。

   仮想通貨の大手の投資家たちが、裏で情報を交換し合って、相場をコントロールしようとしているのではないか、という噂は絶えない。我々にそれを検証するすべはないが、そういうことも十分起き得ると想定しておく必要がある。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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