2020年 11月 28日 (土)

その51 国民栄誉賞 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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   「国民栄誉賞」というものがある。1977年、当時の福田赳夫首相が設けたもので、最近では2018年2月13日に将棋棋士の羽生善治氏と囲碁棋士の井山裕太氏が同時に受賞し、安倍晋三首相から表彰状や記念品を手渡されている。

   羽生氏は将棋の名人など7つのタイトルで前人未到の「永世七冠」を達成したこと、井山氏は囲碁史上初の7大タイトル独占を2度にわたって果たしたことが評価された。

  • 国民栄誉賞の第1回の受賞者である王貞治氏の肖像レリーフ(東京・後楽の野球殿堂博物館で)
    国民栄誉賞の第1回の受賞者である王貞治氏の肖像レリーフ(東京・後楽の野球殿堂博物館で)
  • 国民栄誉賞の第1回の受賞者である王貞治氏の肖像レリーフ(東京・後楽の野球殿堂博物館で)

時の首相の人気取りでしかない

   国民栄誉賞の目的は、その表彰規程によると「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉をたたえる」ことで、表彰の対象は「内閣総理大臣が本表彰の目的に照らして表彰することを適当と認めるもの」となっている。

   前置きが長くなったが、僕はこの「表彰規程」がどうも気に食わない。

   まず、これは時の首相がその人気取りのために使える制度である。もちろん、誰を表彰するかに当たっては、有識者とやらの意見も聞くのだろうけど、首相の意向が最大限尊重されることは、目に見えている。

   しかも、受賞者は広く「国民」に敬愛されている人とのことである。僕もあなたも、受賞者を敬愛する「国民」の中に含まれている。

   羽生さんや井山さんが成し遂げたことは立派かもしれない。だが、お二人を敬愛していない人もいるはずだ。将棋や囲碁に無関心の人もいるだろう。それなのに、その時の権力者の意向で、勝手に二人を敬愛させられてしまうのである。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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