2024年 4月 26日 (金)

その57 東京五輪の「酷暑」マラソン 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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出でよ!?「マラソンに参加しない」有力選手

   どうして、よりによってこんな時期に東京五輪をやるのか。それは「簡単な話」で、IOCが夏季五輪の開催日を7月15日から8月31日までに設定するよう求めているからだ。

   じゃあ、なんで、IOCはそんな時期を選んだのか。それも「簡単な話」で、巨額の放映権料を払う米国のNBCなど欧米のテレビ局の都合に合わせているからだ。たとえば、秋はアメリカンフットボールのシーズンなので、NBCにとっては五輪などがあっては迷惑なのだろう。

   だから、東京五輪を中止にでもしない限り、開催時期などの「大枠」は認めざるを得ないけど、マラソンの過酷さをもう少し和らげる方法もあるだろう。

   たとえば、開始時刻を2時間早くして午前5時、あるいは夜にして午後7時、8時にはできないか。欧米のテレビ局の放送時間との関係もあるだろうが、まずは「アスリート第一」である。

   あるいはマラソン、そして同じように過酷な競歩は、開催地を東京より涼しい北海道に持っていけないか、考えられる手立てはいくつかあるはずだ。

   2008年の北京五輪のとき、マラソンの金メダル最有力候補と目されていたエチオピアのハイレ・ゲブレセラシェ選手が北京の大気汚染を嫌ってマラソンに出場せず、1万メートルの参加に切り替えた。

   ただ、五輪の間は北京の空も青く晴れ、彼を後悔させたそうだが、この選手にならって、開始時刻を変えない限り、あるいは、開催地を変えない限り、「マラソンには参加しない」と言ってくれる有力な選手はいないものだろうか。そんな声が続出すれば、さすがのIOCも対応を迫られるかもしれない。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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