2020年 10月 29日 (木)

「許せん!」と沸騰する前に...... 経営者たるもの、宣戦布告はダメでしょ(大関暁夫)

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ああいう経営者は痛い目にあわせないと......

   しかし、Tさんは強硬です。

「こんな対応をされて、ウチだって立ち上げ早々つぶされかねません。流れによっては訴訟も考えて、今、必要資料を揃えています。以前の勤務先に話して展示会ブラックリストに載せてもらい、すべての展示会から締め出してやろうかとも思います。信用調査会社の知り合いに話をして、過去に契約不履行があるという情報を載せてもらうことだってできます。ああいう経営者は痛い目にあわせないと、他にも被害者が出かねませんから」

   確かに起業直後の資金繰りに大きな影響の出る支払いトラブルで、Tさんが尋常ならざる精神状況にあるのはよくわかります。しかし、彼の口をついて出てくる話は相手への報復措置一辺倒で、これにはどうしたものかとこちらも反応に困ってしまいます。

   「とにかく、社長の一方的で高圧的な対応が最悪です」とTさんは繰り返し言うのですが、社長の真意はわかりません。

   担当者が自分勝手に先月末支払いを約束したことを、社長から咎められないために、社長に「うるさい客から、『なんで支払いが遅いのだ』としつこく言われて困っている」と言い、それが社長の高圧的な受け答えになったのかもしれません。

   「とにかく今は報復措置ばかりを考えるのではなく、まずはTさんと担当者のやりとりについて正しい事実関係を社長に話すべきです。それではじめて社長がどこまで事実を把握しているのかがわかり、取引相手の責任者としてこれにどう答えるのか、すべてはそこからだと思います。
   仮に、相手の社長が本当にどうしょうもない経営者だったとしても、報復措置などいくらしたところで、何の得もなく経営として時間のムダだと思います。Tさんも、今は従業員がいなくとも、起業して一人の経営者になったのですから、自分が働くことの役割やコストを考えて、経営者として「今、何をするべきか」慎重な対処を検討すべきです」
大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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