急増する「合同会社」ってなに? あの超ビッグ外資の日本法人もソレだとか...

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設立費用と手続きが簡便、「脱サラ起業」に最適

   また、株式会社では役員の任期が決まっているが、合同会社には役員の任期がない。株式会社では決算の公表が義務付けられているが、合同会社はその義務がないし、株主総会を開く必要もない。株式会社と同じように節税できる点も魅力だ。

   そのうえ、会社設立時の費用が株式会社より安くすみ、手続きも非常に簡単であるため、「週末起業」や「脱サラ起業」を目指す人にもってこいなのだ。合同会社という会社の形が、いま日本人の多様な働き方を後押ししているといわれている。

   ただし、デメリットもある。まだ日本では株式会社ほど一般的ではなく、小規模で閉鎖的なため、信用度が落ちる。また、株式による大規模な資金調達ができないことも難点だ。利益配分が自由であるメリットも、社員同士のトラブルが発生しやすいデメリットと裏返しの関係にある。

   東京商工リサーチによると、新設法人に占める合同会社の構成比が、2011年の8.8%から2017年は20.5%と約3倍に増えた。この期間、株式会社が75.5%から69.5%に10ポイントダウンするなど他の法人格が軒並み減少するなか、合同会社は一人勝ちの状態だ。

   合同会社を産業別でみると、サービス業がトップで38.7%と全体の4割近くを占める。サービス業は中小・零細企業が中心で、取引相手も一般消費者が多いため、会社形態にさほどこだわらないことが要因とみられる。

   一方、業種別でみると、トップは不動産業だが、金融・保険業が2016年の959社から、2017年は1270社(32.4%増)と大幅に増えたことが目立つ。これはFX(外国為替証拠金取引)ブームや、急騰した仮想通貨で利益を得た個人が節税目的もあって合同会社を設立したことが、押し上げの理由とみられる。

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