2018年 11月 18日 (日)

「就活ルール」破る企業増加 文科省の今年の就活調査速報

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   今年(2018年)の就活で、6割以上の企業が日本経済団体連合会(経団連)が定めたルールの6月より前に採用活動を始めていたことが、文部科学省が実施した「2018年度就職・採用活動調査(速報版)」でわかった。

   経団連は、すでに「就活ルール」を2021年春入社以降廃止すると決めているが、改めてルールの形骸化が示された形だ。今後の就活ルールづくりは政府主導で進められていくが、採用活動時期が早められる可能性が高まりそうだ。

  • 来年の就活はもう始まっている?(写真はイメージ)
    来年の就活はもう始まっている?(写真はイメージ)

ルールの6月以前に内々定出した企業が半数

   それによると、採用活動を行なった企業は前年より1.6ポイント増え、94.6%に達した。採用人数を増やした企業も0.1ポイント増、逆に減らした企業が1.4ポイント減で、景気回復が進んでいるため、企業の採用意欲が強まっている。

   広報活動を始めた時期は、3月がもっとも多く63.1%だった。実際に面接などの採用選考活動を始めた時期は、6月がもっとも多く29.6%を占めたが、それ以前に開始していた企業が全体の62.4%に達した。昨年(2017年)は59.3%だから、3.1ポイント増えたことになる。3月以前に始めたところも全体の4分の1の25.7%あり、昨年の22.%より3.7ポイント増えている。売り手市場を見越して早め早めに学生を確保する動きが強まっている。

   企業規模からみると、ルール通りに6月から採用活動を始めたのは大企業が41.9%だったが、中小企業は33.6%しかいなかった。これは、中小企業のほとんどが経団連に加盟していないことと、採用難であることが影響しているようだ。

   内々定を出し始めた時期も、6月がもっとも多く34.5%だったが、6月以前に出していた企業が47.2%もあった。これは昨年の39.6%より7.6ポイントも増えている。また、学生を早めに確保するインターンシップを実施した企業も昨年より11.2ポイント増えて58.0%に達した。インターンシップを行なった時期(複数回答)でもっとも多かったのが2月で、66.1%だった。

   こうした採用活動の前倒し傾向は、今後の就活ルールづくりに影響を与えそうだ。

五輪開催中は地方学生の宿泊先なくなる

   一方、調査では大学側にも聞いている。今回の調査で注目されるのは、現在大学2年生の就活が、2020年には東京五輪・パラリンピックの開催時期と重なることだが、「不安や課題があるか」を聞くと、「ない」と答えた大学は24.7だけで、72.5%が「ある・わからない」と答えている。

   不安の内容や課題は、

「学生の宿泊先や交通機関の利用が難しくなり、地方の大学生が不利にならないか」
「東京五輪・パラリンピックのために、就活ルールが急に変更されないか」
「企業説明会の会場が不足しないか」

などが目立った。

   調査は、7~8月に全国の企業2500社に調査票を送り、1012社から回答がきた。また、1178の大学、短大、高等専門学校に調査票を送り、1091校から回答があった。

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