2018年 12月 14日 (金)

職場の女子トイレ、歯ブラシをハンドドライヤーで乾かすってアリ?

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   職場のトイレで昼食後に歯を磨く人は多いだろうが、磨いた後の歯ブラシはどうしている?

 

   濡れたまま歯磨きセットケースに戻している? それとも......

   なんと、女子トイレのハンドドライヤーで乾かすことが流行っている会社があった。インターネットで画期的な(?)方法が伝わると、「ナイス・アイデア!」と称賛する声と、「気持ち悪すぎ!」と嫌悪する声の賛否両論が起こっている。ハンドドライヤーのメーカーに「アリ」かどうかを聞いてみた。

  • ハンドドライヤーに歯ブラシを入れるのは?(写真はイメージ)
    ハンドドライヤーに歯ブラシを入れるのは?(写真はイメージ)

神経質に気にしていたら、トイレで歯磨きやうがいはできない

   話題のきっかけになったのは、読売新聞の女性向けサイト「発言小町」(2018年11月11日付)に掲載された「職場のトイレ、手を乾かす機械で歯ブラシ乾かすって」というタイトルの投稿だ。

「転勤してきた人が、お昼休みに職場のトイレで歯みがきをして、その後手を乾かす機械で歯ブラシを乾燥させています。それを見た他の社員が、次々に真似をして、今では5人以上の人が歯ブラシを乾燥機で乾かしています」

というのだ。

   投稿者は、衛生的なことはわからないが、手を入れる機械に歯ブラシを入れたら、唾が機械の中に飛び散ったりしないかと心配。「それ以来、トイレの手を乾燥させる機械を使いたくなくなったけど、これって常識的にどうなの?」と、問いかけた。

   この投稿に、少数だが、歯ブラシを乾かす画期的な方法に称賛する声があった。こんな意見だ。

「(投稿者は)神経質だなという印象。そんなことを気にしていたら、洗面所で歯磨きやうがいをする行為はどうなのって聞きたい」
「湿ったまま保管するよりはきれいな気がしますね。滅菌できるような高温になるわけじゃないので、あくまで『気がする』だけですが。紫外線照射併用ならより効果がありそうな『気』がします」

   しかし、大半は「うへぇ~、不潔!」「げぇっ、あり得ない」という嫌悪感をむき出しにする批判派が占めた。こんな指摘が相次いだ。

「洗ったとはいえ、不特定多数が排尿排便後に手を差し込むものに、口に入れる歯ブラシを入れることが考えられない」
「ハンドドライヤーの中をのぞいたことがありますか? いつも湿っていて、ホコリや髪の毛がこびりついています。そんなところで歯ブラシを乾かすなんて、ぞっとします」
「そもそもトイレのハンドドライヤーは、手に付いた細菌を拡散させると同時に、空中に浮遊する細菌を手に付着させる危険があるという研究があるそうです。歯ブラシの細菌が拡散されるのと同時に、歯ブラシに細菌が付着する恐れもあるということです

ハンドドライヤーは返って細菌を増やす研究も

   ここで指摘されたハンドドライヤーの衛生面での研究については、2018年8月28日号の「ニューズウィーク日本版」(オンライン)が、米コネティカット大学の調査を紹介している。

   それによると、研究チームは大学内にある36か所のトイレのさまざまな位置に培養皿を置いて細菌の数を調べた。その結果、ハンドドライヤーから吹き出される温風には、もともとトイレ内の空気中にあった量よりはるかに多くの細菌が含まれていることが分かったという。ハンドドライヤーで手を乾かすと、返って細菌が付着するのだ。

   どうして、細菌が増えるのか。同大学のピーター・セトロー教授は「トイレのふたを閉めないまま水を流す際に、排便に含まれる細菌が空気中に飛散する」と指摘する。そして、トイレには大勢の人間が出入りすることも事態を悪化させるという。服に多くの細菌が付着しており、外部から持ち込むからだ。

   理屈のうえでは、ドライヤーにフィルターを取り付ければ、細菌がろ過されて洗ったばかりの手に細菌が吹き付けられるのを防げるはず。しかし、フィルターでろ過される細菌は最大で約75%だった。また、ハンドドライヤーの周囲に対流が生じ、トイレ内のろ過されていない空気をドライヤーの風が巻き込む可能性もあるという。

   このため、セトロー教授は使い捨てペーパータオルを愛用することを勧めており、今回の調査対象となった大学内の36か所のトイレにも置かれるようになったという。

メーカーは「想定外の使い方、危険でお勧めできない」

   ところで、こうした歯ブラシの乾かし方は「アリ」なのだろうか。J-CASTニュース会社ウォッチ編集部は、ハンドドライヤーの大手メーカー、三菱電機中津川製作所の担当者に取材した。

   ――歯ブラシをハンドドライヤーで乾かすのは、メーカーの立場からは「想定の範囲」ですか? 正しい使い方と言えるのでしょうか。

「想定外であり、正しい使い方ではありません。弊社ジェットタオルは、高速、大風量で瞬時に手の水を吹き飛ばすものであり、風の力は強力です。そのため、歯ブラシが風の力に負けて飛んでしまう、あるいは劣化した歯ブラシが折れてしまい、ケガの恐れが想定されます。高速エアを利用した使い方ではありますが、安全の観点からお勧めできません」

   ――投稿の反応の中には、「そもそもハンドドライヤーは不潔である」とか「非衛生的であるという研究もある」と指摘する声が多くありましたが、メーカーとしてはどう考えていますか。

「ジェットタオルの衛生性については、『手』『ジェットタオル手挿入部』からの細菌飛散に関して、『通常の場合』『汚れがひどい場合』を想定して試験しましたが、いずれも細菌飛散は認められませんでした。したがって、ジェットタオルは、非接触で清潔乾燥を可能にしており、安心してご使用いただけます」

   ――しかし、女性はトイレでハンカチを使う人が多いようですが。

「ハンカチは1日に同じものを連続して使うケースがほとんどですから、連続使用中に細菌が繁殖する可能性があります。一方で、ジェットタオルは非接触乾燥が可能ですから、衛生的に手を乾かすことができます」

   そして、担当者はさらにハンドドライヤーを1日1回丁寧に手入れする方法を説明。「歯ブラシ乾燥は問題外」としながらも、「手の乾燥」には自信を見せていた。(福田和郎)

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