2019年 9月 18日 (水)

何が問題、産業革新投資機構? 官民ファンドのあり方を問う(鷲尾香一)

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日本は民間によるベンチャー投資が少ない

   官民ファンドは如何なる役割を担うべきなのか。個人的には、官民ファンドは本来の目的である「新産業の創出」を進めるべきであり、既存企業の延命措置を行うべきではないと考える。

   国民生活に重大な悪影響を与えるような公共性の強い企業(たとえば、電力やエネルギーなど公共インフラ関連)に対する支援措置は仕方ないにしても、国民の税金を原資にしている官民ファンドが民間企業を支援するのは適当ではないだろう。

   自由経済の中では、存在意義を失った企業は退場し、新陳代謝が行われるのは必然だ。存在意義が低下した企業を政府が延命するのは、保護主義であり、やるべきではないだろう。この点については、田中社長も「政府全体としての明確な指針がなく、途中で(方針が)変わることに問題がある」と述べている。

   基本的に官民ファンドは、「新産業の創出」のため、ベンチャー企業への投資を進めるべきだ。特に、日本は欧米と比較して民間によるベンチャー投資が少なく、この点では官民ファンドが果たす役割は大きい。

   そのうえ、民間のファンドであれば、投資の失敗はファンドの存亡そのものに関わるが、官民ファンドでは投資がどのような結果になろうとも、基本的にファンドが潰れることはない。こうした点で、官民ファンドは投資規律が働いていないといえよう。

   JICは10月に約2200億円の投資枠を設けた第1号ファンドを米国で立ち上げたが、今回の騒動で、ファンドを清算する方針だ。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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